BtoB広告トレンドまとめ:Cookieレス対応からAI活用、アドフラウド対策など(2025年度)

BtoB広告は今、Cookieの廃止やAIの急速な進化、不正クリックの増加といった環境変化に直面しています。本記事では、ターゲットメディアとVISVOが注目している最新のBtoB広告トレンドをまとめました。

Cookieレス対策、AI最適化(AIO)、デモ動画活用、事例コンテンツの重要性など、2025年以降のBtoB広告において影響を与えると思い注目している事項をまとめています。今後も本記事は随時アップデート予定です。
ホワイトペーパー

目的別リードジェネレーション施策選定ガイド

リード獲得について商談や受注につなげるためにニーズ・目的にあわせた代表的な手法と施策を解説しております。

Cookieレスへの対応

これまでユーザーの行動を追跡する手段として「サードパーティCookie」が広く使われてきました。しかし、プライバシー保護の観点から主要ブラウザでのサードパーティCookieの使用が段階的に制限・廃止される流れが進んでいます。これにより、従来のリターゲティング広告や細かなユーザー分析が難しくなってきています。そのため、以下のような新しいアプローチが重要になります。

1.ファーストパーティデータの活用

自社サイト上で得られるデータ(問い合わせ履歴、閲覧ページ、ダウンロード情報など)やハウスリスト(過去に取得したリード情報や既存顧客情報)を活用し、「受注しやすい見込み客」にアプローチすることが重要となります。これらのデータをもとに、広告配信やコンテンツ設計を行うことで、より効果的なマーケティングが可能になります。

2. コンテキストターゲティング

ユーザーの属性や履歴ではなく、「どのようなコンテンツを見ているか(文脈)」に基づいて広告を配信する方法です。たとえば、製造業の技術トレンドに関する記事を閲覧しているユーザーに、自社の関連製品を紹介する広告を出すといった施策がこれに当たります。

3. プライバシーに配慮したID連携の活用

企業によっては、ログインIDや会員情報をベースにした広告ターゲティングが可能です。これにより、個人情報を保護しつつ、一定のパーソナライズを維持することができます。

4. メディア選定の見直し

Cookieに依存しない広告手法を提供するメディアやプラットフォーム(例:LinkedIn、業界特化型メディア)への出稿は改めて注目されています。

Google検索パートナーにおける不正クリックが急増

検索パートナーとは、Googleの検索結果以外で、Googleの検索エンジン技術を使って検索機能を提供している外部サイトを指します(例:一部のニュースサイト、比較サイトなど)。この検索パートナー面で不正クリックが急増しています。

不正クリック(アドフラウド)とは、広告主の予算を意図的に消費させることを目的とした無効なクリックのことを指します。クリックされても、広告主にとって意味のある成果(購入や問い合わせなど)にはつながらず、広告費だけが消費されるため、非常に深刻な問題です。

なぜ不正クリックが起きやすいのか?

・パートナー側の品質管理が不透明で、低品質な検索サイトやスパム的なメディアが混在している。
・広告の表示方法が意図的に誤クリックを誘導するような形になっているケースがある。
・Botやスクリプトによるクリックが検出されにくい仕組みのサイトが存在する。

これにより、BtoB広告でもクリック数は増えるがCV(コンバージョン)には一切つながらないといった現象が2024年から特に顕著に報告されています。

対策方法は?

1. 検索パートナーを除外する
Google広告のキャンペーン設定で「検索パートナーを含める」というチェックを外すことで、広告表示をGoogleの検索結果のみに限定できます。無駄なクリックの削減に有効です。

2. IPアドレスの除外設定
明らかに不審なIPアドレスからのアクセスがある場合は、それを除外設定することで再発を防げます。

3. クリック率とCV率の乖離に注目
特定の媒体・キーワードで異常にクリック率が高いがCVが極端に低い場合、アドフラウドの可能性を疑いましょう。

4. アドフライド対策ツールの導入
アドフラウド対策ツールとは、広告に対して行われる「不正なクリック」や「無効なインプレッション(表示)」を検知・ブロックするためのツールです。広告の出稿先である媒体ごとにログインし確認作業をすることみ可能ですが、工数がかかる上見落としが起きるという課題もあります。
広告クリックの健全性を監視するツールを導入することで、アドフラウドの検知・ブロックが可能になります。

AI活用・AIO(AI Optimization)

BtoB広告においても「AI活用」や「AIO(AI Optimization)」は、すでに大きな変化をもたらしつつあり、今後さらに重要性を増していくと思います。
広告配信の精度向上、営業効率化、リードの質向上などにAI活用が開始されており、特に2024年以降活用企業が急増しています。いくつか活用事例をご紹介します。

AIでターゲット企業の検討度合いを先読み

自社が保有する大量の名刺・接触履歴データと、広告経由のWeb行動データを統合し、「受注につながりやすい企業の特徴」をAIでモデル化。広告配信先のターゲティングを再設計し、CPAを約40%削減したという事例も生まれています。

コンテンツとクリエイティブの自動制作・最適化

広告やLPにおける見出し・画像・CTAのバリエーションをAIが自動生成・テストし、最も成果の出る組み合わせを自動採用。手作業によるABテストを廃止して工数を削減しながら、CVR(コンバージョン率)を改善する取り組みが増えています。

営業用のアタックリスト作成でも活用

広告とは少し異なりますが、営業用のアタックリスト作成でも活用されています。具体的には「今この企業がどんなテーマに興味を持っているか」をAIがリアルタイムで可視化し、セールスリストを自動で作成するサビスも登場しています。人的リスト作成作業を削減できるだけでなく、広告配信にも活用することで反応率の向上も期待できます。

デモ動画の存在感が増している

SaaSやIT系サービスのように「使ってみないとわかりにくい」製品では、短時間で機能や価値を伝えられるデモ動画の需要が急増しています。BtoB広告展開においても、お問い合わせや資料請求前に製品理解が進み、CV率(コンバージョン率)が向上するという事例もでています。

動画制作サービス自体は既に存在していましたが、従来は制作に時間・工数・費用が必要で、作成後は修正などメンテナンス性が低いと感じていましたが、「PLAINER(プレイナー)」など、ノーコードで操作できるインタラクティブな製品デモ作成ツールが登場してきて、BtoB企業が、自社サービスの操作感や価値を伝えるための「体験型デモ」を簡単に作れるようになってきています。

事例コンテンツが再注目

こちらも目新しいトレンドではありませんが、やはり事例は「最強のBtoBマーケティングツール」だと思うので紹介しておきます、ご承知の通り、BtoBの購買検討プロセスでは、実績や他社の導入事例の確認がほぼ必須です。
特に「自社と同じ業種」や「同じ課題を抱える企業が、どのようにその製品・サービスを活用しているか」は、導入を検討するうえでの重要な判断材料となります。

にもかかわらず、こうした重要性が理解されていても、実際に事例コンテンツを十分に整備できていない企業は多く見受けられます。コラムやノウハウ記事は充実していても、事例記事だけは増えていないというケースは珍しくありません。

さらに最近では、汎用的な情報やノウハウはChatGPTのような生成AIでも簡単に得られるようになっています。そのため、企業のWebサイトでは「AIでは代替できない独自性のあるコンテンツ」を発信していくことがますます重要になっています。

その点、事例コンテンツは実在する顧客の声や導入背景をベースにしているため、信頼性と独自性が高く、差別化にも効果的です。今こそ、事例を強化すべきタイミングだと思います。
ホワイトペーパー

目的別リードジェネレーション施策選定ガイド

リード獲得について商談や受注につなげるためにニーズ・目的にあわせた代表的な手法と施策を解説しております。

この記事の著者
TARGET MADIA VISVO

ターゲットメディア株式会社/株式会社VISVO BtoB広告プランニングチーム

BtoBマーケティング支援企業ターゲットメディア株式会社とデジタル広告支援の株式会社VISBOによるプランニングチーム。両社の支援実績で蓄積したナレッジや実績データをもとに、BtoB企業の広告や集客施策をサポートしています。