デジタルセールスに最適な運用体制とは?モデルケースを交えて解説

デジタルセールス活動の業務内容は多岐にわたるため、実行・運用フェーズでは営業部門だけでなく複数の部門が関与します。また、業態や事業フェーズによって最適な運用体制は変わります。

本記事では、デジタルセールス組織創りを検討している方に向けて、いくつかのモデルケースを交えて解説します。

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デジタルセールスの進め方ガイド
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本資料は、デジタルマーケティングやテクノロジーを活用し、新しい営業の仕組みを構築したいと考えている営業部門・マーケティング部門の方々を対象に作成した資料です。これから本格的にデジタルセールスに取り組みたいと考えるBtoB企業の皆様にとって、有益なヒントをお届けできれば幸いです。

運用体制を考える前に必要な業務の全体像を把握する

まず、デジタルセールス運用体制を検討する上では、デジタルセールスに必要な業務の全体像を把握する必要があります。

企業によって必要となるデジタルセールス業務は異なりますが、代表的なものを記載いたします。

①デジタルセールス組織のマネジメント業務

前述の通り、デジタルセールス活動の業務内容は多岐に渡ります。そのため、人的リソースの調達・管理、予算の調達・管理、部門間調整といった組織マネジメント業務が必要となります。

組織マネジメントは、デジタルセールスを主導する部門が行います。どの部門が主導し、マネジメントをするのが良いのかは後述します。

②デジタルセールス戦略の策定業務

デジタルセールス戦略とは、デジタルセールス活動の基本骨子となる「誰に・何を伝え・どうやって・どのくらい売るのか」を明確化する業務です。具体的な業務内容としては、顧客ペルソナ設計、USP設計、KGI・KPIの設定、目標計画の策定などがこれにあたります。


また、デジタルセールスを推進していくためにはITインフラ環境の整備は欠かせません。
デジタルセールス戦略に必要なシステムや活用するツールに必要な要件定義も戦略策定において重要な業務です。


③施策の選定・設計業務

デジタルセールス戦略に基づき、目標を達成するために必要な施策や活動を決定する業務です。

デジタルセールス施策を検討する際には、効果インパクトとかかる工数(コスト含む)を鑑みて優先度をつけていくことも大切です。
社内にナレッジや実績が少ない場合は、外部の支援会社の協力を得ながら施策を選定していくことをおすすめします。

④デジタルマーケティング業務

戦略に基づき、目標を達成するための個別のマーケティング施策の企画・設計・実行業務です。
デジタルマーケティングの代表的な施策は、以下があります。
それぞれ記事にてご紹介していますので合わせてご覧ください。





デジタルセールスにおいては、効率的にリードや商談を創出できるマーケティング活動を組み込むことは必須となりますので、目的に応じて必要な施策のPDCAを運用する体制創りが大切です。

⑤インサイドセールス業務

インサイドセールスとは、マーケティング活動で獲得した見込み顧客(リード)に対して、メールや電話、Web会議システムなどのオンライン商談ツールなどを活用しながら非対面で行う営業業務です。

具体的には、以下のような業務を担います。

・リードに対するアプローチ
・ニーズや検討度合いを把握し、必要な情報提供
・案件につながるような商談の獲得
・フィールドセールスへのトスアップ


デジタルセールスの運用体制において、インサイドセールスはマーケティング活動とフィールドセールス活動の橋渡しとなり、見込み顧客(リード)を商談化させる重要な役割を担っています。

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⑥フィールドセールス業務

フィールドセールスは、営業プロセスのうち商談以降のプロセスを役割として担います。具体的には、以下のような業務を担います。

・ニーズや課題の深堀り
・ニーズや課題の解決策としての企業・サービス紹介
・案件確度の見極め
・提案
・契約(クロージング)


従来の営業担当者の役割と大きな違いが見られないかもしれませんが、デジタルセールスにおけるフィールドセールスは「受注することに特化した機能」として位置づけられ、それ以外の業務は排除されていることです。

⑦カスタマーサクセス業務

カスタマーサクセスは、一般的には契約後の顧客サポートをメインに行います。カスタマーサクセスのMissionは、自社のサービスが提供できる「顧客の成功KPI」を達成することです。
その結果として顧客満足度が高まり、契約更新やクロスセル・アップセルといった取引拡大につながります。

⑧デジタル環境の整備(IT企画業務)

デジタルセールス活動を効率的に管理するためのITインフラを整備する業務です。
情報システム部門の業務のように思われるかもしれませんが、デジタルセールスを推進する事業部門または営業部門が主導で行うことが望ましいです。

デジタルセールスに必要となるシステムやツールについては以下記事をご覧ください。

【関連記事】デジタルセールスに必要なツール

デジタルセールスの運用体制を検討する際のポイント

デジタルセールス組織の構築を検討する際のポイントをご紹介します。

「必要な4つの機能」をコントロールできるようにする

1つの部門内に必要機能を内包し、「デジタルセールス組織」を作る企業もでてきましたが、まだ一部の先進企業に限られています。デジタルセールスは前述の通り活動内容が多岐に渡り、専門性も高い業務が多いため、多くの企業では分業化されているケースがほとんどです。

それぞれの専門性の高い業務を、目標達成に向けてコントロールできる状態を作ることが大切です。
改めてデジタルセールスの成功に必要な機能を記載します。

①マーケティング機能 : アプローチ~リード獲得を担う
②インサイドセールス機能 : リードに対するフォロー・見極め・案件につながる商談獲得を担う
③フィールドセールス機能 : 商談以降の提案、受注を担う
④IT機能 : ①②③の活動を効率化・自動化するための業務インフラの構築を担う


分業化されていることは決してダメなのでなく、各活動が共通目標に向かってしっかり機能していることが大切です。

どの部門が主導しマネジメントをするのか

デジタルセールスを主導するケースは企業によって様々です。ターゲットメディアが関与させていただいたデジタルセールス支援プロジェクトにおける主導部門をそれぞれのメリットと共にご紹介します。


デジタルセールスの目的が、従来の営業活動同様、新たな顧客を開拓することでの売上アップや、既存顧客との関係性を強化することで取引額の向上であるため、営業部門(もしくは事業部門)が主導していくケースが増えてくると思われます。

デジタルセールスに最適な運用体制とは?モデルケースを交えて解説

社内で実行するものと外注するものを決める

立ち上げ期においては、デジタルセールスに関わる業務をすべて内製化することは現実的ではありません。そのため社内で行う業務と外注化する業務を整理する必要があります。
特にナレッジが不足している業務は、外部を活用する方がスピードも成功確率も上がります。

ただし、すべてをアウトソーシングするのではなく、外部企業と伴走型で取り組むことが重要です。外注する場合でも「何を・いつまでに自社でできるようにするか」や「この領域は内製化しないで外注化する」などを明確にして体制創りを検討することが大切です。

【モデルケース】デジタルセールスの運用体制

前述の通り、デジタルセールスの業務範囲は多岐にわたるだけでなく各業務において専門性も求められます。そのため、分業型・協業型をベースとして運用体制を構築することが大切です。

モデルケース① : 立ち上げ期のデジタルセールス組織

デジタルセールス立ち上げ期の運用体制のモデルケースです。

立ち上げ期の場合、社内にナレッジの不足や多くの人的リソースを割けないケースが多いため、コンサルティング会社やWebサイト制作会社、広告会社など外部リソースを活用して運用するケースが一般的です。

デジタルセールスに最適な運用体制とは?モデルケースを交えて解説

モデルケース② : フィジビリ完了後のデジタルセールス組織

デジタルセールスの立ち上げとフィジビリ(実現可能性)の検証が完了した後は、成功ポイントや課題・改善点が見えてきます。

その結果をもとにより大きなパフォーマンスを上げるために、社内アセットの増加だけでなく外部リソースの補完も合わせて検討していくケースが一般的です。
同時にこのフェーズでは、効果インパクトの低い施策や活動も見えてくるため、施策や活動の停止→効果の高い活動へのシフトの検討も必要です。

デジタルセールスに最適な運用体制とは?モデルケースを交えて解説

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本資料は、デジタルマーケティングやテクノロジーを活用し、新しい営業の仕組みを構築したいと考えている営業部門・マーケティング部門の方々を対象に作成した資料です。これから本格的にデジタルセールスに取り組みたいと考えるBtoB企業の皆様にとって、有益なヒントをお届けできれば幸いです。

この記事の著者

ターゲットメディア株式会社 デジタルセールスメソッド開発チーム

BtoBマーケティング支援企業ターゲットメディア株式会社のデジタルセールスのメソッドを開発するチーム。BtoBマーケティングやデジタルセールス支援実績で蓄積したナレッジや実績データをもとに、事業成長につながるデジタルセールスのメソッド(方法論)を開発しています。

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