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ChatGPTのBtoBマーケティング活用

2023年05月12日
ChatGPTのビジネス活用が注目を集めています。BtoBマーケティングの分野においても、ChatGPTを活用することで業務効率化できる点がないかを模索している企業も増えています。本記事では、ChatGPTでできることを踏まえ、BtoBマーケティング分野における活用法や注意点について紹介します。
目 次

ChatGPTとは

ChatGPTは、AI分野の研究・開発を行っているアメリカの企業「OpenAI」が、2022年11月に公開した、人工知能搭載型のチャットボットです。
GPTは、Generative Pre-trained Transformerの頭文字を取ったもので、日本語で直訳すると「生成可能な事前学習済み変換器」なります。

そもそも人工知能とは、考える・記憶する・判断する、あるいは、言葉を理解する、物事を推測する、問題を解決する、などといった、本来人間しかできない行動を人間に代わってコンピューターに行わせる技術のことであり、チャットボットとは、人間的な会話の成立を目指したコンピュータプログラムことです。
つまり、ChatGPTとは、膨大な量且つ高度な質の機械学習を元に作られた、会話型の人工知能ツールと言えます。

ChatGPTでできることは何か?

ChatGPTは、質問に対する回答だけでなく、文章の作成や校正、膨大なテキストを要約することが可能です。その他にも文章の翻訳や表やリストの作成をすることもできます。以下に代表的な機能を紹介はします。

①会話
質問への回答、対話、ゲームの相手なども可能です。
②文章の作成
テーマを伝えるだけで、指定した形式・ボリューム・トーンの文章を制作することが可能です。
③文章の添削
誤字脱字の指摘、文法の修正、推敲、表現の改善などが可能です。
お願いすれば、添削したポイントなども明記してくれます。
④文章の要約
あらゆる文章の要約が可能です。文字数も指定できます。
⑤文章の翻訳
現在100以上の言語に対応しています。ただし翻訳品質は、トレーニングデータや言語モデルの進化によっても大きく異なる場合があります。
⑥表やリストの作成
指定した項目の表を作成したり、設定した目的を達成するための手順やTODOなどをリスト化することができます。
⑦関数やプログラミング作成
目的に合わせた関数の使い方や、プログラミングコードを教えてくれます。
⑧クリエイティブ
条件に合ったキーワード・テーマ・タイトル・構成の案だしなどが可能です。

ChatGPTと検索エンジンとの違い

“ググる”という言葉ができるほど、分からないことはGoogleで検索するというのがこれまで主流でした。
様々なことを調べられるツールとして、検索エンジンとChatGPTは似ている部分がありますが、一つの質問に対して、多数の回答選択肢(検索結果)を提示する検索エンジンに対して、ChatGPTは、大量の機械学習を元に最も正しいと思われる最適解を導き出すという点において大きく異なります。
一方、検索エンジンでは、文章だけでなく画像や写真の情報も提供できるのに対して、ChatGPT(無料版)は現状文章や表でしか提供することができないという違いもあります。

ChatGPTを始めるには

ChatGPTは、PCかモバイルさえあれば誰でも簡単に使い始めることができます。

無料版と有料版がある

ChatGPTには、無料版(GPT-3.5)と有料版(GPT-4)があります。
無料版(GPT-3.5)は、かなり制度が低いと言われているので、業務で使う場合は有料版の利用がおすすめです。
有料版(20$/月)は、最新の言語モデル(GPT-4)が搭載された「Chat GPT」が使用できる上、PT-3.5ではできない、画像入力による文章生成や画像・音楽・動画の生成が可能になります。
また、フリーズしにくくなったり、回答時間が短縮されたりといったメリットもあります。

使用方法

まずChatGPTの公式サイトでアカウント登録をします。
その後、ChatGPTの画面の「Send Message.」と書かれた部分に、質問・要望を文章で打ち込むと、キーボードのenterまたは紙飛行機の記号をクリックします。
数秒後、自動的に回答内容が画面に打ち込まれていきます。

こちらからChatGPTに送ることができるメッセージの文字数は、1回あたり2,500文字ほどです。
ChatGPTからの回答は1回あたり4000字ですが、「続けて」とお願いすれば、続きが表示されていきます。
ChatGPTは、一問一答ではなく、会話を続けていくことができます。
またアカウントごとに、利用履歴が残されているので、後で内容を見直すことも可能です。

プロンプトの工夫が不可欠

質問や会話といった単純な活用であれば問題ないのですが、条件がついたり複雑になったりした場合は
プロンプトを活用する必要があります。プロンプトとは、質問文を作る際のフォーマットのようなものです。

精度の高い回答を得るためには、まず下記の項目を意識して作成しましょう

・求める行動(作成して欲しい・要約して欲しい・教えて欲しい・提案して欲しいなど)
・前提条件の提示
・求める結果の例
・回答形式(文章・表・数値・文字数など)
・参考事項


また、特定の文章を提示する時は”””で囲む、前提条件を提示する時には#を使って過剰書きにするといったルールも知っておく必要があります。

<例>
下記の文章を要約してください。
”””(文章)”””

<例2>
プロのBtoBマーケッターとして、下記の内容に関するブログ記事を作成してください。

#テーマ:受注に繋がる見込み客の獲得方法
#読者対象:これからマーケティングを始めるBtoB企業のマーケティング担当者
#条件
・全部で2,000文字~5000文字にまとめる
・見出しの数は4つ
・最後にまとめをつける

マーケティングにおいてChatGPTは有効か?

業務効率化・作業の時短化という観点で有効

結論から言うと、「業務効率化」という側面において有効的なツールと言えます。

マーケティング業務は、調査・企画・クリエイティブ・分析など、業務範囲が多岐に渡りますが、どの業務においても、ChatGPTが完全に代替することは現時点では困難です。

しかし、あらゆる業務を行うために必要な情報の収集や整理など「アシスタント」的な役割を担うことは可能です。具体的には、特定の業界や分野に関する市場調査・情報収集、Webサイトデータや顧客データを元にした改善施策のアイデア出しなどが挙げられます。

またChatGPTは、文章を作成できることから、コンテンツ制作業務の時短化としても有効活用できます。例えば、記事制作やメールマガジンのアイデア出しから原稿素案の作成などを短時間で行うことができます。
その他ChatGPTは、API連携が可能なので、自社のシステムと連携させてお客様対応や、メール返信などを自動化することも可能です。

ChatGPTの生成される情報は100%正確なわけではない

ChatGPTが導き出す回答は必ずしも正しいとは限らず、内容によっては精度が高くないため必ず人の目で品質をチェックする必要があります。特にコンテンツ制作等で活用する場合は、誤った情報を提供してしまうと会社の信頼に影響を及ぼす可能性があるため、慎重に利用する必要があります。

ChatGPTがBtoBマーケティングで活用されるシーン

ここからは、BtoBマーケティング分野において今後予想される活用について紹介します。

調べ物や事務作業のサポート

ChatGPTは、マーケティング業務に関する様々な疑問・質問に回答してくれます。
具体的には、専門用語に関する解説はもちろんのこと、アウトソーシングできる企業や広告媒体のリストアップや、業務のTODO・スケジュール作成など事務的な作業もサポートしてくれます。

<質問例>
下記の内容に関するセミナーを開催します。
スケジュール表とTODOリストを作成してください。
#セミナータイトル:社内に眠っているマーケティング資源の活用術
#来場対象者:BtoB企業のマーケティング担当者
#形式:会場とZoomのハイブリット
#開催日:今から3ヶ月後
#集客目標数:50名

<回答例>

ChatGPTのBtoBマーケティング活用

記事やメルマガなどのテーマ・タイトル・構成の作成

ChatGPTは、記事・メルマガ・セミナーなどを企画する際にも役立ちます。
具体的には、テーマ設定からタイトル・構成に至るまで、前提条件を提示することで欲しいアイデアを提供してくれます。

<質問例>
プロのマーケッターとして、下記の内容に関する記事の構成案を作成してください。
#記事の内容:社内に眠っているマーケティング資源の活用術
#対象者:BtoB企業のマーケティング担当者
#記事の目的:マーケティングの必要性を感じてもらうこと
#記事の文字数:2000文字

<回答例>

ChatGPTのBtoBマーケティング活用

記事・メルマガなどの文章素案の作成

ChatGPTは、マーケティング担当者にとって最も工数のかかる、文章素案の作成にも役立ちます。
記事・メルマガなどの文章はもちろんのこと、製品・サービスに関する紹介文や、ディスクリプション、
挨拶文などの作成も可能です。

ただし、前述の通りChatGPTの生成される情報は100%正確なわけではなく、Webサイトにそのまま使うと、会社の信頼に影響を及ぼす可能性があるため、慎重に利用する必要があります。ChatGPTで作成された文章はあくまでも参考として活用するようにしましょう。

<質問例>
下記のWebページで紹介されている「BtoBマーケティングSTART UP」サービスに関する紹介文を
200文字以内で作成してください。
https://btobmarketing.tmedia.co.jp/package/startup/

<回答例>

ChatGPTのBtoBマーケティング活用

ChatGPTをBtoBマーケティングで活用する際の注意点

ChatGPTは、便利なツールですが利用する上で注意すべきこともあります。

独自性のある文章作成は苦手

ChatGPTが作る文章は自然で読みやすいですが、一方で内容が凡庸的で表現力やオリジナリティに欠けていることが多く、Googleのコンテンツ評価基準であるE-E-A-T、Experience(経験)、Expertise(専門性)、、Authoritativeness(権威性)、Trust(信頼性)には、ほぼ逆行しているといえます。
従って、ChatGPTを活用する際には、作成した文章をそのまま使うのではなく、特にSEOやブランディングを意識したマーケティングサイトの記事などでは、あくまでも一つの案や参考として使用するようにしましょう。

内容の正誤をチェックする必要がある

ChatGPTが導き出す回答は、必ずしも正しいとはいえません。
特に、ChatGPT(無料版)は、2021年9月までのデータが情報源であるため、それ以降の情報は持ち合わせていないと考えられる一方で、ツールの特性上、要求されたことに対して、何かしらの回答を導き出そうとするため、内容が間違っているまたは的を得ていないことも多々あります。
従って、ChatGPTから得た回答は、いかなる内容であっても必ず人間の目でチェックをすることが不可欠です。

情報漏洩の可能性あり

まだリリースしたばかりで且つ仕組みが複雑なChatGPTは、活用にはプライバシー侵害、企業秘密漏洩、サイバー犯罪のリスクが潜んでいると指摘されています。
一部の国では使用が制限されていたり、企業によっては使用が禁止されていたりというケースもあります。
企業で使用する場合には、情報漏えいのリスクを十分に理解した上で、企業機密にかかわる情報は入力しないといったルールを作ることが大切です。

最後に

ChatGPTは、BtoBマーケティング分野において様々な業務を効率化してくれる可能性が高いと言えます。しかし現状は、あくまでもアイデア出しや簡単な校正チェックが中心です。
また、ChatGPTで吐き出された内容は、その良し悪しの判断が不可欠であるため、特に新任のマーケッターや、コンテンツ制作に慣れていない方は注意して使う必要があります。

一方で、将来的には、人間が現在こなしている多くの仕事を担うようになる可能性があるとも言われており、今後の発展に期待が高まっています。

このコラムを書いたライター
BtoBマーケティングBPO編集部
BtoBマーケティングBPO編集部
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