MAを活用したインサイドセールスとは?進め方とポイント解説
- 目 次
インサイドセールスとは?従来のテレアポとの違い
インサイドセールスとは、「顧客や見込み客と電話やメールなどの非対面でコミュニケーションをとり、受注に繋がる商談機会を創出すること」を目的にした活動を指します。国土が広く人口も多いアメリカで、すべての顧客に対して対面での営業が非効率だったため始められた活動といわれています。
では国土の狭い日本でもインサイドセールスが流行しているのは何故でしょうか。それはインサイドセールスによって「営業組織の生産性を向上」させることができるからです。
● 営業の移動時間の削減
● インサイドセールスが見極めによる、受注確度の低い企業への訪問機会の削減
● 常駐によるアポ取得のための架電時間の削減
● 常駐によるリードに対してのアクションを起こすタイムラグが削減
上記のメリットで社内にインサイドセールスを導入する企業が増加しています。
インサイドセールスとテレアポの違い
インサイドセールスはテレマーケティングによる活動が多いため、テレアポと混同されがちですが、活動目的が大きく異なります。
テレアポが企業名リストに対して数多くのアポイント獲得を目的として活動するのに対し、インサイドセールスとは、マーケティング活動を通じて創出されたリードに対して、ニーズや検討状況を把握しながら、受注可能性の高いアポイントを獲得することを目的として活動します。
インサイドセールスのテレアポ部隊化
ではなぜ「インサイドセールスのテレアポ部隊化」が起こるのでしょうか。
それはインサイドセールス全体の設計が明確になっていないことが原因です。
明確なインサイドセールスの設計ができていないと、このようなことが起こります。
① アポイント数を担保するためだけに、「無理アポ」を取得する
② 創出した商談の受注率が下がり、インサイドセールスの目標が増加する
③ 目標の増加に伴い、架電件数の増加・リストの不足が起こる
④ リストのハードルが下がり質が低下する
⑤ アポイント率が減少し、架電数で担保するようになる
⑥ ①に戻る
といった悪循環に陥り、アポイント数を目標とするテレアポ部隊に成り下がってしまいます。
上記のような事態を防ぐために必要なインサイドセールスの全体設計から運用を解説していきます。
インサイドセールスを始める前に決めておくべきこと
インサイドセールスをテレアポ部隊化させないために、以下の項目を明確にしておく必要があります。
KPI・目標設定
アポイントの獲得数を目的としたインサイドセールスであれば、アポイントにつながるプロセスを、KPIとして設定するべきです。弊社では上記の図のような項目を明確にし絶対数と転換率をプロセスKPIとして設定しています。
リード評価基準
インサイドセールスの活動の起点となるのが、アプローチ先となる「リードの抽出」です。このリードの抽出によって、その後の活動成果に大きな影響を与えます。特に限られた人数でアプローチする場合は、「商談創出」につながる確度から、優先順位をつける必要があります。
弊社の場合インサイドセールスの人数が少ないため、以下の項目を優先する評価軸としてアプローチしています。
■優先度1
自社の課題に対して能動的に情報収集し、サービスの検討をしている担当者
EX)お問い合わせ・資料請求者、個別相談者
■優先度2
自社の課題に対して能動的に情報収集し、課題解決のためにノウハウを得ようとしている担当者
EX) プライベートセミナー参加者、ホワイトペーパーダウンロード者
その他、企業様によっては以下のようなリードに対してもアプローチされるかと思います。
・プライベートセミナーに申し込んだものの来場されなかった企業担当者
・インサイドメールURLクリック者
・サービス紹介LPの閲覧者
・過去の広告リード
・過去の展示会・セミナーなどでの名刺交換リスト 等
自社の商談発生経路からリードの評価基準を設定することで、商談創出の生産性を最大化させることができます。
アプローチコンテンツ
インサイドセールスにおいて、最も大事な項目です。ここでいうアプローチコンテンツとは、対象となるユーザーとのコミュニケーションコンテンツであり、ユーザー1人1人の検討フェーズにあわせて提供する情報を指します。
抽出したリードが特定の資料に反応した、などのWEBアクティビティによって、「どの検討フェーズに属しているか」「どのような課題を持っているか」を担当者が把握した上で、提供する情報を分けることが重要です。
営業引継ぎ情報
営業担当者が、商談活動をスムーズに進めるために必要な情報を共有します。単に連絡先などの基本情報ではなく、ヒアリングした「定性情報」をしっかりと共有し営業活動に活用することで、より受注しやすい商談創出ができます。デジタルマーケティングでは取得できない情報を収集できることも、インサイドセールスのメリットです。
<取得する定性情報(例)>
・担当者が担っているMissonや目標
・製品・サービスの導入にあたり不安に感じていること
・製品・サービスの導入にあたり担当者がどのような立場で関与しているのか
・導入に関与するメンバーはどういった部門・担当者がいるのか
インサイドセールスの効果を高めるために定点観測すべき項目とは
インサイドセールスは最初から目標通りの結果が出ることが稀であるからこそ、活動1つ1つに対して、PDCAを素早く回していくことが大切です。インサイドセールスの効果を高めるために、まずは下記3点を定点観測し、改善活動を繰り返していきましょう。
担当接続率(接続数/架電数)
架電をした数のうち、担当者に繋がっている率のことを指します。
担当接続率で判断する指標としては、「リード発生後に素早くフォローができているか」を判断します。理由として、発生したリードは時間が経過するほど閲覧したコンテンツに対して興味を失っていく傾向にあります。例えば「覚えていない」、「優先度が変動した」などの要因で電話を取る意欲がなくなり、接続率が下がっていきます。担当接続率の低下がみられた場合には、インサイドセールスのフォロータイミングを早くすることで、改善が可能です。
アポ率(アポ数/接続数)
担当者に接続したコールの中から、アポイントを取得できる率のことを指します。
インサイドセールスが担当者の「検討状況を把握できているか」「検討状況を把握した上で、次の検討ステップに推進させる情報を提供できているか」がアポ率を左右します。
アポが取得できない理由は、担当者の検討プロセスを推進できていないことが理由であり、「検討状況の把握」と「検討プロセスを推進させる情報を提供できているか」が重要です。
アポイント拒否理由
担当者に接続したのち、アポイントを断られた際の理由を指します。アポイント拒否理由で判断する指標としては、「営業するに値するリード」なのかどうかを判断します。CV経路や閲覧ページなどの情報から、インサイドセールスが当たるべきと判断したリードが、本当に当たるべきリードかどうかを判別します。
あまりにもアポイントの拒否が多く、拒否理由が“検討プロセスの低い段階での引き上げによる拒否”な場合は、抽出の評価基準を高く設定することで改善が可能となります。
まとめ
今回は、従来のテレアポとインサイドセールスの違いと、MAを活用したインサイドセールスを設計するうえで、重要な要素について解説いたしました。
● インサイドセールスの目的は、ニーズや検討状況を把握しながら、商談可能性の高いアポイントを獲得すること
● インサイドセールスを始める前に「KPI・目標設定」「リード評価基準」「アプローチコンテンツ」「営業引継ぎ情報」を決めておく
● インサイドセールスの効果を高めるために定点観測すべき項目は「担当接続率」「アポ率」「アポイント拒否理由」
前述したようにインサイドセールスの成功は、設計が非常に重要です。自社で成功しているインサイドセールスの事例を元にしておりますので、インサイドセールスについて何かしらの課題感がある場合は、ご参考頂けますと幸いです。
- BtoBマーケティングBPO編集部
- ターゲットメディアは、BtoBマーケティングに取り組む企業様に目的を達成するための「ノウハウ」と「実行リソース」をご提供しています。編集部ではBtoBマーケティングを実践する企業様向けに成功のヒントとなるお役立ち情報をお届けしています。