ホワイトペーパーとは?サービス資料と何が違うのか?
BtoBマーケティングにおけるホワイトペーパーとは何か?
ホワイトペーパーとは、一言でいうと顧客獲得のためのマーケティングツールです。
ターゲット顧客にとって興味関心のあることや課題となっていることと、自社のサービス・製品が解決できること、この2つの重なり合う部分をテーマとして、方法論やノウハウを自社特有の知見や情報を元にまとめたものを指します。
ホワイトペーパーの活用範囲は幅広く、新しい見込客の獲得からすでに獲得した見込客の検討プロセスの推進(リードナーチャリング)まで、様々なマーケティングフェーズで活かすことができます。
ホワイトペーパーとサービス資料との違い
ホワイトペーパーとサービス資料は、同じようにドキュメントでまとめた資料ではありますが、内容は大きく異なります。
最も大きく違うのは、購読される対象です。
サービス資料は、“サービス・製品にすでに興味を持っている人”が対象である一方、
ホワイトペーパーは、“サービス・製品が解決できる課題やビジネステーマに関心があるすべての人”が対象となります。
つまり、ホワイトペーパーの対象には、製品・サービスそのものにまだ興味・関心がない方も含まれるのです。
ホワイトペーパー4つのタイプ
ホワイトペーパーは、見込み客の検討フェーズに合わせた内容でコンテンツを制作することで、初めてマーケティングツールとしての効果を発揮します。
見込み客の検討フェーズごとにあわせた設計が非常に重要です。
【興味・関心層向けホワイトペーパー】
貴社が提供する情報に対して何らかの興味・関心を持っているが、具体的なニーズや検討状況が分からないターゲット層に対しては、以下のタイプがおすすめです。
①指南書・ガイドブック型ホワイトペーパー
ターゲットが、興味・関心を持つと想定されるテーマに対するノウハウやポイントをわかりやすくまとめることで、頼れるパートナーとしての知を図るためのホワイトペーパー
②必要性喚起型ホワイトペーパー
顧客の課題に気づいてもらい、その解決策を通して自社の製品やサービスブランド認知を図るためのホワイトペーパー
【課題認識層向けホワイトペーパー】
③導入課題整理型ホワイトペーパー
ターゲットが導入を進める上で障壁となるハードル整理した上で、障壁をクリアするための方法や理想的な進め方を紹介するホワイトペーパー
④ユースケース紹介型ホワイトペーパー
ターゲットのニーズ・属性に合った形で製品・サービスの活用イメージ・具体的な事例を紹介することで、導入後の成功をイメージさせるホワイトペーパー
何故、BtoBマーケティングでの活用が増えているのか
ホワイトペーパーは、業種・企業規模に関わらず、様々なBtoB企業のマーケティング活動で活用されています。
ここまで活用が増えている理由として、新型コロナウイルスの影響で従来のテレアポを主体とした新規商談獲得が困難になってきている現状があります。
こうした変化により、購買企業が「詳しくは会った際に営業担当者から話を聞く」というスタンスから、事前に情報収集できる内容はWebサイトを見ておいて、自社の課題を解決できる会社(あるいは製品・サービス)かを事前に判断する傾向が高まっているのです。
そのため、必然的に重要になってくるのがWebサイト上のコンテンツとなります。
新規リード獲得を担うBtoB企業のマーケティング担当者様はこれまで以上に良質なコンテンツを制作して準備することが求められるようになります。
そのコンテンツの一つとして活用されているのがホワイトペーパーなのです。
マーケティングツールとしてのホワイトペーパーの特性とは
貴社が解決できるニーズ・課題を持つ「将来顧客」を獲得できる
ホワイトペーパーは、顧客が興味・関心を持つテーマに即して制作されているため、ホワイトペーパーを読みたいと思っているユーザーは、貴社にとって将来発注可能性のある潜在的な見込客といえます。
自然な形で製品・サービスへの関心を高められる
ホワイトペーパーにおいては、顧客が抱えるニーズや課題に対する解決策として製品・サービスを紹介していくため、自然な形で企業そのものへの信頼を高めることにも繋がります。
ホワイトペーパーを制作する際に留意すること
ホワイトペーパーを制作する際に、よくある失敗が「プロダクトアウト」で作ってしまうことです。
これは、マーケティング活動を積極的に行っているBtoB企業ほどやってしまいます。
製品・サービスへの思いが強く、強みや他社との差別化ポイントなどもよく分析しているので、つい“伝えたいメッセージ”を中心に発信しようとしてしまうのです。
しかしターゲットの検討状況は様々です。
ホワイトペーパーを読む側は、製品・サービスに関心があるとは限らないため、実際にはターゲットが関心のある課題やニーズを軸にした「マーケットイン」で作るのが適切です。
まずは、「ターゲットが知りたいこと」から内容の検討をはじめます。ターゲットが抱く課題やビジョンを踏まえ、その解決・実現に繋がるテーマを決定していくことからスタートしましょう。
ホワイトペーパーの活用シーン
制作したホワイトペーパーは、BtoBマーケティングにおける様々なシーンで活用することができます。
リード獲得のために活用する
①自社サイト掲載
自社のマーケティングサイトにダウンロード資料として掲載するという方法です。
ダウンロードと引き換えに個人情報を登録してもらうことで、ハウスリストを増やすことができます。
②オンライン広告活用
ターゲットが閲覧している外部メディアに広告露出し、ダウンロードと引き換えにプロファイル情報を収集するという方法です。
③テレマーケティング活用
ターゲット企業リストに対して電話でホワイトペーパーを紹介し、プロファイル情報と引き換えにリードを獲得する方法です。
リード獲得については以下の資料で詳しくご紹介しています。
リードナーチャリングのために活用する
①メールマーケティング
ハウスリストに対してメールマガジンでホワイトペーパーを紹介し、ダウンロードを通じてユーザーニーズや検討状況を把握する方法です。
その際に、アンケートを取得すると、より詳細な検討状況を知ることができます。
②セミナーのインセンティブ
セミナーに来場した方へ、より製品・サービスへの関心を高めてもらうための後押しとして配布する方法です。
アンケートなどで現状の課題やニーズをヒアリングし、その内容に合わせて配布資料を変える方法もあります。
以上がホワイトペーパーをリードナーチャリングに活用する方法です。
以下の資料ではより詳細にナーチャリング戦略に合わせた活用方法をご紹介しています。
よくある質問
最後に本記事に関連したよくある質問をまとめました。
ご参考になさってください。
Q1. BtoBマーケティングにおける「ホワイトペーパー」とは何ですか?
A. 「顧客獲得のためのマーケティングツール」です。 本来は政府の「白書」を指す言葉ですが、マーケティングにおいては「顧客の課題解決ノウハウや役立つ情報をまとめた資料」のことを指します。自社の知見を提供することで、将来の顧客を獲得(リードジェネレーション)したり、関係を深めたりするために使われます。
Q2. よくある「サービス紹介資料(営業資料)」とは何が違うのですか?
A. 最大の違いは「購読の対象」と「内容の視点」です。
・サービス資料: 「製品に興味がある人」が対象。「自社製品(プロダクトアウト)」の視点で作られ、機能やスペックを説明します。
・ホワイトペーパー: 「課題やテーマに関心があるすべての人」が対象。「顧客の課題(マーケットイン)」の視点で作られ、解決策やノウハウを提供します。製品にまだ興味がない層にもアプローチできるのが特徴です。
Q3. ホワイトペーパーにはどのような種類がありますか?
A. 顧客の検討フェーズに合わせて、主に以下の4つのタイプがあります。
1.指南書・ガイドブック型: ノウハウをまとめ、頼れるパートナーとしての信頼を得る。
2.必要性喚起型: 潜在的な課題に気づかせ、解決の必要性を感じさせる。
3.導入課題整理型: 導入の障壁となるハードルを整理し、解決策を示す。
4.ユースケース紹介型: 具体的な事例を紹介し、成功イメージを持たせる。
Q4. なぜ今、ホワイトペーパーの重要性が増しているのですか?
A. 顧客が「営業と会う前にWebで情報収集する」ようになったからです。 コロナ禍などの影響もあり、顧客は営業担当者と話す前に、Webサイト上の情報で企業や製品を選別するようになりました。そのため、Web上でダウンロードでき、顧客の信頼を獲得できる良質なコンテンツ(ホワイトペーパー)が不可欠になっています。
Q5. ホワイトペーパーを作る際に、気をつけるべきポイントは?
A. 「プロダクトアウト(売り手目線)」にならないように注意してください。 つい自社製品の強みやメッセージを中心に伝えたくなりますが、読み手はまだ製品に興味がない可能性があります。あくまで「ターゲットが知りたいこと(課題やビジョン)」を軸に据え、その解決に役立つテーマで制作することが成功の鍵です。
本コラムの作成・編集者
ターゲットメディア株式会社 BtoBマーケティング研究チーム
私たちは、「日本のBtoBマーケティングをアップデートする」をミッションに活動する専門家チームです。
BtoB領域に特化して、17年以上・支援社数200社以上のマーケティング支援を手掛け、そこで蓄積された成功事例や実践的なノウハウを、現場で奮闘するマーケターの皆様にお届けしています。
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