BtoB広告の種類と特長を徹底解説
この記事では、ターゲットメディアがこれまで実施してきたBtoB広告の事例と成果をもとに、代表的な広告の種類や特長・メリットを分かりやすくまとめました。
広告施策を検討する際のヒントとして、ぜひご活用ください。
BtoB広告を実施する際の留意点
具体的な広告手法や施策の種類を紹介する前に、BtoB広告に取り組む際のポイントや注意点について解説します。
ターゲットのペルソナを明確にする
まずは、どのような顧客を獲得したいのか(ターゲット像)をはっきりさせましょう。
ただし、あまりに細かく定義しすぎると、広告でのターゲティングが困難になる場合もあります。
広告でコントロールしやすいのは、「業種・職種・役職」といった属性情報や、「抱えている課題やニーズ」です。
まずはこの2点を軸に、ターゲット像を設定しましょう。
(図版挿入:顧客ペルソナとは)
どの「検討プロセス」にいるリードを獲得したいのかを決める
BtoB商材では、ユーザーが製品やサービスを導入するまでに複数の検討段階を経ます。
広告の効果を最大化するには、どの段階にいるユーザーを狙うかを明確にすることが重要です。
例えば、
・ニーズや課題の有無は不明だが将来発注可能性のある「潜在層」
・自社サービスが解決できるニーズや課題を抱える「準顕在層」
・比較・検討を進めている「顕在層」
といった層ごとに、響くメッセージも最適な広告手法も異なります。
検討状況に応じて出現するリードの数も変動します。
ターゲットの検討段階を踏まえて、訴求内容や配信チャネルを設計しましょう。
【目的別】BtoB広告の種類と特長
BtoBの広告はいくつかありますが、本記事においては当社へのご相談の多い以下の3つの目的に絞って広告手法と施策をまとめました。ご紹介しているのは施策の概要までとなっております。実施にあたり費用などの詳細を知りたい方はお気軽にご連絡ください。
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<BtoB広告の目的>
①顕在層を獲得するための広告
-能動的に情報収集している顕在リードを獲得したい
②潜在層を獲得するための広告
-受注しやすい属性を持った潜在リードを低コストで獲得したい
③特定企業のリードを獲得するための広告
-ターゲットとする企業に絞ってアプローチしたい
顕在層を獲得するための広告
BtoB広告をはじめて実施する際には、貴社の製品やサービスの導入を検討しているターゲットに対してアプローチできる広告から始めるのがおすすめです。
実績がない段階で広告を実施する場合、リードタイム(検討期間)が短いターゲットの方が結果も出しやすく、効果検証のスピードも速めることができるためです。仮に潜在層向けのアプローチを行った場合、リードタイムが長くなり、効果分析や検証に時間がかかってしまいます。
①情報探索ユーザーにリーチするSEM(リスティング広告・SEO)
SEMとは、Search Engine Marketingの略称で、検索エンジンを利用するユーザーに対してリーチするマーケティング施策の総称です。BtoB企業の情報収集は検索エンジンが利用される機会が多いため、集客施策として有効です。SEMの代表的な方法として「リスティング広告」と「SEO対策」が挙げられます。
(図版挿入:)
②比較サイト
比較サイトとは、特定のジャンルの商品やサービスについての情報をまとめたWebサイトです。類似の商品・サービスを提供する複数の会社の特徴、価格などを比較検討できるため、BtoB企業の情報収集においてもよく活用されています。
比較サイトは主に前述のリスティング広告やSEO対策によって集客をしているため、興味・関心度の高いリードにリーチできる点は同様の効果を見込めますが、自社にマッチしないリードも含まれる可能性があります。
比較サイトを活用してリード獲得をする際には以下の点に留意しておきましょう。
(1)競争になりやすい
比較サイトはその名前の通り複数の業者や商品を選んで問合せをする仕組みになっています。そのため比較サイトで獲得できるリードは競合他社にも問合せをしており、基本的には競争が激しくなりやい傾向にあります。
(2)サービス認知度は低い
一括資料請求・見積りサイトとして複数社からまとめて資料請求や見積もりを取得するタイプの比較サイトもあります。中には過度に多くの見積もりを取らせる仕組みのサイトもあるため、ユーザーはどの企業に資料請求や見積り依頼をしたのか認知していないケースもあります。
結果として、「とりあえず見積だけ欲しい」といった質の低いリードも含まることがあります。
③DSP広告
DSP(Demand-Side-Platform)とはユーザーの属性や行動データに基づいてディスプレイ広告を配信できるプラットフォームサービスです。
自社サービスに興味関心をもっている可能性が高いと思われる層にアプローチすることが可能なため、潜在層にもアプローチができますが、広告クリエイティブや誘導先のランディングページで顕在層へ引き上げることが可能です。
DSP広告の運用には、ある程度のノウハウと専門知識が必要となるため、はじめて実施する場合は広告代理店に委託するので良いでしょう。
④リマーケティング広告
リマーケティング広告とは、過去に自社サイトに訪問したユーザーに配信される広告手法です。
そのため、既に商品やサービスに興味関心を持つ可能性の高いユーザーにアプローチできるため、高いコンバージョン率が期待できます。
また、通常のリマーケティング以外にも複数の種類があります。
検索広告向けリマーケティング(RLSA:Remarketing Lists for Search Ads)
自社サイトに訪問した履歴のあるユーザーが検索エンジンやパートナーサイトで検索を行った際に、検索結果に広告を表示する手法です。
動的リマーケティング
ユーザーが過去に閲覧した自社サイトの商品やサービスに焦点をあて、その商品、サービスを表示するダイナミック広告です。
動画リマーケティング
YouTubeチャンネルで動画を視聴したユーザーや動画の視聴履歴などをもとに配信リストを作成し、広告を表示する手法です。
カスタマーマッチ(顧客リスト)
自社が保有する顧客の連絡先情報のリストをアップロードし、そのユーザーに対して広告を配信する手法です。
Googleアナリティクスリマーケティング
Googleアナリティクス(GA4)を使用したリマーケティングでは、「サイト○分以上滞在」や「サイトへのセッション数○回以上」データを細かく分類することが可能になり、より細かなターゲティングをおこなうことができる配信手法です。
一度自社サイトに訪問したユーザーは、製品やサービスに対して何らかの興味・関心をもっている可能性が高く、比較・検討するタイミングを逃さないためアプローチができるため、顕在層に属するリードを獲得できる可能性が高いと言えます。
潜在層を獲得するための広告
潜在層とは、漠然したニーズや課題は抱えているものの、製品やサービスの導入検討は開始していない層を指します。潜在層は二ーズが顕在化したタイミングで導入を検討することになるため、中長期の視点で取り組むことが重要です。
⑤ホワイトペーパーダウンロード広告
ホワイトペーパーダウンロード広告とは、業界情報やノウハウをまとめた「ホワイトペーパー」を広告で訴求し、ダウンロードと引き換えにリード情報(顧客情報)を取得する手法です。
・有益な資料を提供し、ユーザーに興味を持ってもらう
・ダウンロード時にフォーム登録を促し、リードを獲得する
といった流れで、ユーザーとの最初の接点を作ることができます。
また、成果報酬型で実施できる媒体も多いため、短期間で潜在層リードを多数獲得したい場合にも効果的です。
⑥ディスプレイ広告
ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリ上に表示される画像やバナー形式の広告のことです。
代表的な配信先としては、GDN(Google ディスプレイ ネットワーク)、YDA(Yahoo! ディスプレイ広告)、YouTubeなどがあります。
ディスプレイ広告は、多くの場合、潜在層(まだニーズが顕在化していない層)への認知拡大を目的として活用されます。できるだけ多くのユーザーの目に触れるよう、目立つ広告枠に広く配信されるのが特徴です。
一方で、DSP広告(Demand-Side Platform)は、ユーザーの属性や行動履歴に基づいて配信先を自動的に選定し、費用対効果の最大化(CV率の向上)を目的としています。
つまり、
・ディスプレイ広告:ターゲットを広げて潜在層にリーチし、認知を拡大する施策
・DSP広告:ターゲットを絞って効率的に配信し、成果(コンバージョン)を最大化する施策
というように、目的やアプローチの違いがあります。
特定企業のリードを獲得するための広告
BtoBマーケティングにおいては、「誰でもいいからリードを集める」のではなく、ターゲットとする企業に絞ってアプローチしたいケースも多くあります。
特定の業種・企業規模あるいはABM(アカウントベースドマーケティング)戦略に基づき、狙った企業群に対して直接的にアプローチすることを目的とした広告施策をご紹介します。
特定企業に対して広告を配信するには、いくつかの方法がありますが、主に以下の2つのアプローチが有効です。
⑦IPアドレスや企業属性に基づく広告配信
一部の広告プラットフォームでは、企業のIPアドレスや所属ドメインをもとに広告配信先を絞ることが可能です。
これにより、特定の業種・規模・エリアに該当する企業に限定して広告を表示できます。
例:「製造業×従業員数500名以上」の企業だけに表示
これにより、ターゲット企業への認知獲得やホワイトペーパーのダウンロード促進が効率的に行えます。
⑧ABMプラットフォームを活用した広告配信
「ADMATRIX」「LinkedIn広告」など、ABMに特化した広告配信プラットフォームを活用することで、個別に定めたターゲットリスト(ABMリスト)へのピンポイントなアプローチが可能になります。
ABMプラットフォームを活用した広告配信のポイントは以下の通りです。
・事前に「狙いたい企業リスト」を作成
・広告配信をその企業の意思決定層や導入関与部門に絞って実施
・訴求メッセージやクリエイティブも特化型に設計(汎用的な広告ではなく、ターゲットに合わせた課題提起や提案型のコピーが有効)
⑨保有リード情報と連携した広告配信
保有しているリード情報(名刺情報やMAで蓄積されたデータなど)を活用し、広告配信と連携することで、より高精度・高効率なターゲティング広告が可能になります。
すでに接触をして関心を持っている可能性のあるリードに訴求するため成果が出やすいというメリットがあります。
以下にその方法とポイントをわかりやすく解説します。
CRM・MAデータと広告プラットフォームの連携
CRM/MAに蓄積された顧客データ(会社名・メールアドレス・行動履歴など)をもとに、広告配信対象を絞り込む手法です。連携できるプラットフォームとしては以下があります。
・Google広告(カスタマーマッチ)
・Facebook/Instagram広告(カスタムオーディエンス)
・LinkedIn広告(連絡先オーディエンス)
・DSP(一部ツールでCRM連携が可能)
既存のリードのうち、休眠中の見込み客だけに再アプローチしたりすることが可能です。
メールアドレスリストからのターゲティング広告
メールアドレスや電話番号などの個人識別情報を広告プラットフォームにアップロードし、該当ユーザーに対して広告を配信する方法です。
これにより、メールを開かなかった人に広告で再接触するなど、オムニチャネルでの接点創りが可能になります。
※注意点としてプライバシーポリシーでの明記とユーザー同意が必要です。
本コラムの作成・編集者
ターゲットメディア株式会社 BtoBマーケティング研究チーム
BtoBマーケティング支援企業ターゲットメディア株式会社のマーケティングチーム。長年の支援実績で蓄積したナレッジや実績データをもとに、BtoBマーケティングを実践する企業様向けに成功のヒントとなる情報をお届けしています。