ABMとカテゴリーマーケティングの違い──「誰でも」ではなく「儲かる顧客」に集中するBtoBマーケティング

BtoBマーケティングでは、ニーズや課題を持つ企業に対してアプローチをする取り組みが主流でした。しかし、リードを獲得しても商談化しない、受注が生まれないといった課題に直面する企業が増えています。こうした背景の中で、改めて注目されているのがABM(アカウントベースドマーケティング)カテゴリーマーケティングです。
どちらもターゲットを絞りアプローチをするマーケティング手法ですが、「ターゲット顧客の切り分け方」に違いがあります。本記事では、ABMとカテゴリーマーケティングの違いを整理しながら、自社の目的に合った取り組みを考えるための視点を解説します。
【横長】カテゴリーマーケティング

ABMとカテゴリーマーケティングの違い

両者の違いを一言でいえば、「ターゲット設定」にあります。
ABMは「特定企業を定めてどう受注するか」を考えてアプローチするマーケティングに対して、カテゴリーマーケティングは「どの顧客カテゴリーで勝つか」を定めてアプローチするマーケティングです。
どのカテゴリーに集中するかを定めなければ、ABMのターゲット企業リストも意味をなしません。つまり、カテゴリーマーケティングにより“戦う市場”を決めて初めて、ABMが有効に機能する構造となります。

AMBとカテゴリーマーケティングの比較表

ABM(アカウントベースドマーケティング)とは?

前述した通り、ABM(Account Based Marketing)とは、事前に選定した特定の企業に対して、営業とマーケティングが連携し、企業ごとに最適化したアプローチを行うマーケティングです。
ABMでは以下のような取り組みが行われます。

・ 提案内容やコミュニケーションを企業ごとに最適化する
・ 顧客企業ごとに事業状況や課題を深く理解し、個別の接点設計を行う

このように、ABMは限られたターゲット企業に対して深く入り込むことで、商談化や受注確度を高めるアプローチです。ABMが効果を発揮するためには、自社に大きな利益をもたらすアカウントを見極めることが成功の鍵となります。選定を誤ると、戦略全体が失敗に終わるリスクがあります。

▼関連記事:ABM(アカウントベースドマーケティング)とは

カテゴリーマーケティング(カテゴリー戦略)とは?

カテゴリーマーケティングは、「どの顧客カテゴリーで勝つか」を定めてアプローチするマーケティングです。自社が最も価値を発揮でき、かつ事業成長に寄与する“儲かる顧客カテゴリー”を選定するところからスタートします。
カテゴリーマーケティングは従来の「できるだけ多くの企業に広くアプローチする」という発想から脱却し、自社が勝ちやすい領域にフォーカスするという考え方に基づいています。重要なのは、単に接触数を増やすことではなく、成果につながりやすい顧客カテゴリーを見極め、そこにリソースを集中させる点にあります。
カテゴリーマーケティングでは、業界や企業規模といった表面的な属性でセグメントするだけでは成功しません。抱えている課題、業務や購買における行動特性、決定基準、導入後の成功KPIなどのインサイトを踏まえてターゲット設計をしていくことが重要です。

▼関連記事:カテゴリーマーケティングとは?「広くアプローチする」から、「儲かる顧客に集中」へ。

カテゴリーマーケティングとABMは連動できる

カテゴリーマーケティングとABMは、対立する考え方ではありません。実際に当社がカテゴリーマーケティングを支援させていただいている企業でも、ABMを実施しているケースがほとんどです。
両者は連動させることで大きな効果を発揮します。ここでは取り組みの流れをご紹介します。

ステップ① : 「勝てるカテゴリー」を設計する

勝てるカテゴリーとは、「受注しやすく、かつ高いLTVを期待できる顧客像」をイメージして下さい。その上で、なぜ受注しやすいのか?なぜ高LTVを期待できるのか?の理由を明確にすることが大切です。
希望的観測でターゲット設定をしても、顧客にとって選ぶ理由を提示できないかぎりは、受注することはできません。
勝てるカテゴリーを設定する段階では、単にアプローチするターゲット属性をセグメントするだけでなく、それらの企業に対して「何を伝えていくのか」というメッセージ設計もセットで検討する必要があります。

ステップ② : カテゴリーを軸にABMを実施

勝てるカテゴリーが定まった後は、そのカテゴリーに属する企業群をバイネームでリストアップしていきます。ABMを成功させる上では、このリストを高精度で作成できるかがポイントとなります。
アプローチする企業を明確化した後は、その企業に対して、
・どこで、どのような手法で接触を図り
・自社のサービス、製品の価値を伝えていくのか

といった点を整理し、ABMとしてのアプローチ施策を具体化していきます。

ABMは“点”、カテゴリーマーケは“面”

ABMとカテゴリーマーケティングは、連動して取り組むことで、勝てる戦略に裏打ちされた取り組みをすることが可能になります。
ABMとカテゴリーマーケティングの関係を整理すると、よく「点と面」に例えられます。ABMは、特定の企業という“点”に対するアプローチを考える施策です。一方で、カテゴリーマーケティングは、顧客カテゴリーという“面”を形成する戦略です。
ABMは、従来の営業活動の成果を上げるためには有効ですが、市場全体の広がりをつくることはできません。再現性のある成長を実現するためには、面としての市場を押さえる視点が不可欠です。カテゴリーマーケティングによって面を押さえ、その中でABMによって点を確実に取りにいく。この構造をつくることで、単発的な受注に終わらない、再現性のある成長モデルを構築することが可能になります。

まとめ

本記事では、ABMとカテゴリーマーケティングの違いについて整理してきました。
ABMは、攻めるべき市場や顧客カテゴリーがすでに明確になっている場合に、大きな効果を発揮します。受注しやすく、高LTVを期待できる顧客群が定まっていれば、そのカテゴリーに属する企業を対象にABMを設計することで、個別企業へのアプローチ精度を高め、受注確度を高めることができます。
一方で、「どの顧客層を本当に狙うべきかがまだ定まっていない」といった状況にある場合、いきなりABMに取り組んでも成果は出にくくなります。このようなフェーズでは、まず儲かる顧客を定義し、攻めるべきカテゴリーを明確にするカテゴリーマーケティングから着手することが重要です。
ターゲットメディアでは、カテゴリー戦略の策定支援からABM施策の実行までをトータルサポートしています。興味のある方は、以下カテゴリーマーケティングのサービスページもご覧ください。

▼関連サービス:LTVの高い顧客にフォーカスする!カテゴリーマーケティング

本コラムの作成・編集者

ターゲットメディア株式会社 BtoBマーケティング研究チーム

私たちは、「日本のBtoBマーケティングをアップデートする」をミッションに活動する専門家チームです。
BtoB領域に特化して、17年以上・支援社数200社以上のマーケティング支援を手掛け、そこで蓄積された成功事例や実践的なノウハウを、現場で奮闘するマーケターの皆様にお届けしています。
チームには、戦略コンサルタント、データアナリスト、コンテンツ制作のプロフェッショナルが在籍し、多角的な視点から成功のヒントを発信します。

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