BtoBの新規顧客開拓とは?成果につながる手法と営業頼みから脱却する進め方

「新規顧客を増やしたいが、既存顧客への対応で手いっぱいになっている」
「テレアポや紹介を続けているものの、安定して商談をつくれない」
「Webから問い合わせを増やしたいが、何から始めればよいかわからない」
BtoBの新規顧客開拓では、このような課題が起こりがちです。

新規顧客開拓というと、テレアポや営業メールなど、「営業担当者が新しい企業へアプローチする活動」をイメージするかもしれません。
しかし、新規顧客開拓に必要なのは営業活動だけではありません。
「誰を狙うか」を決め、見込み客との接点をつくり、リードを獲得し、商談・案件・受注へつなげるまでの一連の活動が新規顧客開拓です。
そのため、安定して新規顧客を獲得するには、営業担当者の活動量だけに依存するのではなく、営業とマーケティングを組み合わせて、新しい商談が継続的に生まれる仕組みをつくることが重要です。

本記事では、BtoBにおける新規顧客開拓の基本から、成果が止まる原因、代表的な施策、自社に合った施策の選び方、営業頼みの新規開拓から脱却する進め方まで解説します。
【横長】デジタルセールス START UP
目次
BtoBにおける新規顧客開拓とは?
なぜBtoBの新規顧客開拓は「営業頼み」になりやすいのか
BtoBの新規顧客開拓がうまくいかない7つの原因
BtoBの新規顧客開拓で使われる代表的な施策
自社に合ったBtoB新規顧客開拓手法の選び方
ターゲットメディアが新規顧客開拓で重視する3つの考え方
営業頼みの新規顧客開拓から脱却する5つのステップ
営業とマーケティングの役割を分けて新規顧客開拓を仕組み化する
新規顧客開拓を始めるなら、まず「1つの流れ」を完成させる
BtoBの新規顧客開拓に関するよくある質問
まとめ|BtoBの新規顧客開拓は「営業活動」から「仕組み」へ

BtoBにおける新規顧客開拓とは?

BtoBにおける新規顧客開拓とは、これまで取引のなかった企業との接点をつくり、商談・案件・受注へつなげ、新しい顧客を獲得する活動です。
ターゲットメディアでは、新規顧客開拓を次のような流れで捉えています。

BtoBにおける新規顧客開拓とは?
ここで押さえておきたいのは、「新規顧客開拓=営業活動」ではないということです。
テレアポは「ターゲット接点」をつくる一つの手法です。SEOで自社サイトへの流入を増やすことも、展示会へ出展することも、ホワイトペーパーでリードを獲得することも、新規顧客開拓を構成する活動になります。
したがって、新規顧客を増やすには「営業担当者が何件電話したか」だけではなく、ターゲット設定から受注までを一つのプロセスとして設計することが重要です。

なぜBtoBの新規顧客開拓は「営業頼み」になりやすいのか

BtoBの新規顧客開拓が営業頼みになる理由は、「新規開拓の責任所在」「マーケティングの仕組み」「短期の商談目標」の3点です。これらが整わないまま営業部門に新規開拓の成果責任を置くと、ターゲット企業を探すところから商談・提案までを営業が担う構造になります。

①新規開拓の責任所在が営業にあるため

売上や商談の目標を営業部門が負う企業では、新規顧客の獲得も営業の仕事として設計されます。マーケティング部門や専任担当者がいない場合、ターゲット企業の抽出、リスト作成、初回接点、情報提供、フォローまで営業が担当します。新規開拓の前工程を担う部門・役割が定義されていないことが、営業依存の起点になります。

②リード獲得・判別など、マーケティングの仕組みが整っていないため

Webサイトがあっても、問い合わせや資料ダウンロードにつなげる導線、見込み客を獲得する施策、営業対象となる企業を判別する基準が整っていなければ、営業へ継続的に商談候補を供給できません。その場合、営業担当者は自ら企業を探し、接点をつくり、営業対象かどうかを見極めるところから始める必要があります。

③短期の商談獲得を優先するため

月次・四半期の商談数を優先すると、SEOやコンテンツなど成果の蓄積に時間がかかる施策より、テレアポや営業メールなど、すぐに実行できる営業活動へ工数が配分されます。短期の商談獲得を繰り返すだけでは、中長期で顧客接点を生み続ける仕組みが残らないため、翌月以降も営業が新しい接点をつくり続ける構造になります。
つまり、営業頼みの状態は「営業担当者の努力不足」で生じるものではなく、新規開拓の責任と前工程を営業に集約している組織・仕組みの問題です。営業頼みから脱却するには、リード獲得・ターゲット判別などの前工程を仕組み化し、営業がヒアリング・商談・提案に集中できる役割分担へ変える必要があります。

短期の商談獲得を優先するため
営業人員が限られている企業で、新規開拓の効率を高める考え方は以下の記事で詳しく解説しています。

BtoBの新規顧客開拓がうまくいかない7つの原因

新規顧客開拓がうまくいかない原因は、ターゲット設定、訴求、接点づくり、リードの質、営業フォロー、改善運用など、新規開拓の複数工程にあります。ここでは、関連記事で解説している7つの原因に沿って、どこに改善余地があるのかを確認します。

①狙う企業が広すぎる

業種や企業規模などの条件だけで対象を広げると、自社の商品・サービスを必要としていない企業にも営業・マーケティング工数を使います。既存顧客や過去の受注企業を起点に、「アプローチできる企業」ではなく「受注しやすい企業」を明確にします。

②自社が選ばれる理由が明確になっていない

ターゲットが合っていても、競合と比較したときに自社を選ぶ理由が伝わらなければ受注にはつながりません。過去の受注理由や顧客の課題を整理し、「誰に、どの価値を伝えるか」をWeb・広告・コンテンツ・営業トークでそろえます。

③新規顧客との接点が足りない

ターゲットと訴求が適切でも、新しい企業との接点そのものが少なければ商談は増えません。現在の接点数を確認したうえで、SEO・広告・展示会・テレアポなど、ターゲットがいる場所に合わせて接点を追加します。

④新規顧客との接点が特定チャネルに偏っている

展示会の開催月だけリードが増える、テレアポを止めると商談も止まるなど、接点を1つのチャネルに依存すると新規開拓が安定しません。成果が出ている施策を残しながら、その施策で接点を持てない企業や時期を補うチャネルを追加します。

⑤獲得リードに占めるターゲット企業の割合が低い

リード数が増えても、自社の営業対象となる企業が少なければ商談は増えません。総リード数だけでなく、ターゲットリード数とターゲットリード率を確認し、広告の配信先、検索キーワード、コンテンツテーマ、訴求内容などを見直します。

⑥リードを獲得した後の営業フォローに問題がある

ターゲット企業からリードを獲得しても、優先順位やフォロー方法が決まっていなければ商談機会を逃します。検討度の高い企業は早めに営業が対応し、情報収集段階の企業には継続的に情報提供するなど、リード獲得後の流れまで設計します。

⑦KPIを決めず、同じ施策を続けている

施策を実施したかどうかではなく、接点・ターゲットリード・商談・案件・受注が増えたかを確認します。KPIを決め、どの工程で数字が止まっているのかを把握したうえで、改善する施策を選びます。
7つの原因ごとの見つけ方や改善方法は、以下の記事で詳しく解説しています。

BtoBの新規顧客開拓で使われる代表的な施策

前章では、新規顧客開拓がうまくいかない7つの原因を整理しました。これらの原因は、すべて新しい施策を追加すれば解決するわけではありません。ターゲット設定や訴求内容の見直し、営業フォローやKPIの改善が必要なケースもあります。一方で、「新規顧客との接点が足りない」「接点が特定チャネルに偏っている」といった課題では、新たな顧客接点をつくる施策が有効です。ここでは、BtoBの新規顧客開拓で代表的に使われる施策を、役割別に整理します。
分類代表的な施策主な特徴向いている場面
企業へ直接アプローチテレアポ/営業メール/フォーム営業/DM/インサイドセールス狙いたい企業を選び、直接接点をつくりやすい短期で商談機会をつくりたい/攻略企業が明確
Web・コンテンツSEO・コンテンツ/Web広告/ホワイトペーパー/比較サイト・業界メディア営業が1社ずつ探さなくても継続的な接点をつくれる営業工数を抑えながら接点・リードを増やしたい
イベント展示会/自社セミナー/ウェビナー/共催イベント短期間に複数企業と接点をつくれる対面で説明したい/特定テーマへの関心層を集めたい

展示会を中心に新規開拓している企業で、年間を通じて接点をつくる方法を知りたい方は以下の記事をご覧ください。

テレアポを中心に新規開拓している企業で、Webを組み合わせて商談機会を増やしたい方は以下の記事も参考にしてください。

自社に合ったBtoB新規顧客開拓手法の選び方

「どの新規顧客開拓手法が最も効果的か」は、企業によって異なります。ターゲットメディアでは、単純なリード獲得数だけではなく、「営業につながるターゲット企業を、どれだけ効率よく獲得できるか」という観点で施策を考えることが重要だと考えています。

①ターゲット企業を獲得できるか

たとえば、次の2つの施策があったとします。
指標施策A施策B
総リード数100件30件
ターゲットリード数10件15件
ターゲットリード率10%50%

総リード数では施策Aが多いですが、営業対象となる企業は施策Bの方が多くなっています。「何件獲得できたか」ではなく、「営業対象となる企業を何件獲得できたか」まで見ることが重要です。

②商談・受注までつながっているか

リードを獲得しただけでは、最終的な成果は判断できません。「リード→ターゲットリード→商談→案件→受注」まで追い、どの施策が商談・受注へつながっているのかを確認します。

③どれくらい社内工数が必要か

費用だけでなく、営業・マーケティング担当者の工数も確認します。特に人員が限られている場合、成果が出ても運用を継続できなければ適した施策とはいえません。費用と社内工数の両方を含めて継続できるかを判断します。

④短期・中長期のどちらを目的とするか

今期の商談が不足している場合と、半年後・1年後に安定した接点・リード獲得基盤をつくりたい場合では、選ぶ施策が異なります。短期ではテレアポ、営業メール、Web広告など即時性のある施策、中長期ではSEO・コンテンツなど接点を蓄積する施策を組み合わせ、「いつまでに成果が必要か」で役割を分けます。
ターゲットメディアでは、施策単体のリード数ではなく、「ターゲット企業との接点をつくれたか」「商談・受注までつながったか」「継続できる工数か」という一連の流れで評価することを重視しています。

ターゲットメディアが新規顧客開拓で重視する3つの考え方

ターゲットメディアでは、施策ありきで広告やSEOを始めるのではなく、受注につながる顧客獲得の流れ全体を先に設計することを重視しています。特に、次の3点を一貫して考えます。

1.受注から逆算してターゲットを決める:既存顧客や過去の受注企業を起点に、「アプローチしやすい企業」ではなく「受注しやすい企業」を明確にします。
2.「誰に・何を伝えるか」を施策より先に決める:ターゲットの課題やニーズ、自社が選ばれる理由を整理し、Web・広告・コンテンツ・営業トークで伝える内容をそろえます。
3.施策単体ではなく、営業まで一つの流れで見る:接点数や総リード数だけで判断せず、ターゲットリード→商談→案件→受注まで追い、どこで数字が止まっているかを見て改善します。

この考え方を具体的な実行手順に落としたものが、次の「営業頼みの新規顧客開拓から脱却する5つのステップ」です。

自社に合った新規顧客開拓手法を選ぶ

営業頼みの新規顧客開拓から脱却する5つのステップ

ここまで、新規顧客開拓の施策と選び方を解説してきました。しかし、営業頼みから脱却するためには、個別施策を追加するだけでは不十分です。ターゲット設定から営業への引き渡しまでを、一つの仕組みとして設計する必要があります。

営業頼みの新規顧客開拓から脱却する5STEP

STEP1.受注しやすい顧客を明確にする

最初に「誰に売るか」を決めます。既存顧客や過去の受注企業から、業種、売上・従業員規模、部署・役職、抱えていた課題、導入前の状況、自社が選ばれた理由などを整理します。「アプローチできる企業」ではなく「自社が受注しやすい企業」を起点にすることがポイントです。

STEP2.ターゲットが必要とする情報を用意する

次に、ターゲット企業が情報収集や比較検討を行う際に必要となるコンテンツを用意します。課題解決記事、サービスページ、導入事例、料金・費用、比較コンテンツ、ホワイトペーパー、FAQなどです。営業担当者が説明する前でも、Web上で検討に必要な情報を得られる状態を目指します。

STEP3.ターゲットとの接点をつくる

コンテンツを用意しただけでは、見込み客は集まりません。ターゲットに合わせて、広告、SEO・AIO、メール、展示会、アウトバウンド営業などから接点をつくります。ここでも重要なのはアクセス数ではなく、ターゲット企業との接点をどれだけ増やせたかです。

STEP4.リードを獲得して営業へつなぐ

問い合わせ、資料ダウンロード、セミナー申込など、匿名の訪問者をリードへ変える導線を用意します。さらに、獲得したリードの中から営業対象となる企業を判別し、営業へつなぎます。アクセス→リード→ターゲットリード→商談までを一つの流れとして設計することがポイントです。

STEP5.商談・案件・受注まで数字で改善する

最後に、営業へ渡したリードがその後どうなったかを確認します。
「新規顧客開拓がうまくいかない」と一括りにせず、どこで数字が止まっているのかを見ることが改善の第一歩です。

新規開拓の各工程で、どのKPIを設定すべきか具体的に知りたい方は以下の記事をご覧ください。

営業とマーケティングの役割を分けて新規顧客開拓を仕組み化する

営業頼みから脱却することは、「営業をなくす」という意味ではありません。営業担当者には、顧客の状況をヒアリングし、相手に合わせて提案し、案件・受注へつなげる重要な役割があります。一方で、すべての工程を営業担当者が担う必要はありません。

営業が新しい企業を探すところから始めるのではなく、営業すべき企業との接点を仕組みでつくり、営業が商談・提案へ集中できる状態を目指します。

新規顧客開拓を始めるなら、まず「1つの流れ」を完成させる

営業頼みから脱却しようとして、広告、SEO、SNS、ウェビナー、MAなどを一度に導入する必要はありません。特に、マーケティング専任者がいない企業では、施策を増やしすぎると運用そのものが負担になります。

新規顧客開拓を始めるなら、まず「1つの流れ」を完成させる
まずは、この一つの流れを完成させることを優先します。そのうえで、数字が不足している工程に合わせて次の施策を追加していきます。施策数を増やすことではなく、新規顧客が生まれる一連の流れをつくることが目的です。

BtoBの新規顧客開拓に関するよくある質問

Q1.BtoBの新規顧客開拓にはどのような方法がありますか?

テレアポ、営業メール、問い合わせフォーム営業、展示会、紹介、Web広告、SEO、コンテンツマーケティング、ホワイトペーパー、ウェビナーなどがあります。重要なのは手法そのものではなく、ターゲット適合度、商談・受注への確度、必要工数、成果が出るまでの期間などから自社に合った方法を選ぶことです。

Q2.新規顧客開拓で最初にやるべきことは何ですか?

まずは、「誰を新規顧客として獲得したいのか」を明確にすることです。既存の優良顧客や過去の受注企業を分析し、自社が受注しやすい業種・企業規模・部署・課題などを整理します。

Q3.Webだけで新規顧客を開拓できますか?

Webは新しい顧客との接点づくりやリード獲得を効率化できますが、BtoBでは商談、ヒアリング、提案など営業活動が必要になるケースがあります。Webで営業をなくすのではなく、Webで「営業する相手」をつくると考えると分かりやすいでしょう。

Q4.テレアポとWebのどちらが効果的ですか?

一概にどちらが効果的とはいえません。短期間で特定企業へ直接アプローチするならテレアポ、営業担当者の稼働に依存せず継続的な接点をつくるならWebなど、それぞれ役割が異なります。自社で不足している工程に合わせて選び、必要に応じて組み合わせることが重要です。

Q5.営業人員が少なくても新規顧客開拓はできますか?

可能です。ただし、営業担当者が企業探しから接点づくり、商談、提案までをすべて担当すると、対応できる企業数に限界があります。接点づくりやリード獲得を仕組み化し、営業担当者が商談・提案へ集中できる状態をつくることが重要です。

まとめ|BtoBの新規顧客開拓は「営業活動」から「仕組み」へ

BtoBの新規顧客開拓で重要なのは、施策を増やすこと自体ではありません。自社が受注しやすい企業を明確にし、接点づくり・リード獲得・営業への引き渡し・商談・受注までが途切れずにつながる状態をつくることです。

営業担当者だけで前工程から受注までを担うと、新規開拓量は営業人数と稼働時間に左右されます。まずはマーケティングやWebを活用して「営業する相手」をつくる工程を仕組み化し、営業が商談・提案など個社対応へ集中できる状態を目指します。
また、最初から多くの施策を導入する必要はありません。1つの顧客獲得ルートを完成させ、数字が不足している工程を見ながら必要な施策だけを追加していくことで、運用負荷を抑えながら新規顧客開拓を改善できます。目指すのは「営業をなくすこと」ではなく、「営業だけに頼らなくても新しい商談が生まれる状態」です。

営業頼みの新規開拓から脱却する「デジタルセールス START UP」

ターゲットメディアでは、営業だけの新規開拓に限界を感じているBtoB企業向けに、「デジタルセールス START UP」を提供しています。
受注しやすいターゲットや訴求内容の戦略設計から、マーケティング専用サイトの制作、広告運用、SEO・AIO対策まで、新規顧客開拓の仕組みづくりを一貫して支援するサービスです。
特に、次のような企業を想定しています。

•営業主導で新規開拓してきたが限界を感じている
•Webサイトから問い合わせがほとんどない
•マーケティング部署・専任担当者がいない
•最初から大きなマーケティング投資をするのは難しい

デジタルセールス START UP

本コラムの作成・編集者

ターゲットメディア株式会社 BtoBマーケティング研究チーム

私たちは、「日本のBtoBマーケティングをアップデートする」をミッションに活動する専門家チームです。
BtoB領域に特化して、17年以上・支援社数200社以上のマーケティング支援を手掛け、そこで蓄積された成功事例や実践的なノウハウを、現場で奮闘するマーケターの皆様にお届けしています。
チームには、戦略コンサルタント、データアナリスト、コンテンツ制作のプロフェッショナルが在籍し、多角的な視点から成功のヒントを発信します。

【横長】デジタルセールス START UP
×