【いきなり作り出さない】コンテンツ制作を始める前の準備項目
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コンテンツ8割。コンテンツ次第でBtoBマーケティングの効果は変わる
BtoBマーケティングで成果を上げる会社に共通することは、秀逸なコンテンツが準備されているということです。BtoBマーケティング成否は、コンテンツの質と量が大きな影響を与えます。
その理由として、買い手の情報収集行動が変化しているということがあげられます。
これまでは、自社に最適な製品やサービスを購入する際には、接点を持つ営業担当者から話を聞く情報収集スタイルが主流でしたが、コロナの影響でリモートワークをする機会が増えたことで、買い手自ら情報収集を行う「能動型」の時代へと変化しているのです。
つまり今は、買い手が検討アクションを起こすかどうかは、営業担当者ではなくWebコンテンツの内容次第ということです。
Webコンテンツは、優秀な営業担当者が実施していた「コミュニケーションそのもの」の役割を果たすようになっています。
一方、すでにWebマーケティングに力を入れているBtoB企業の中には、SEO対策を意識するあまり
質の良くないコンテンツを大量に制作しているところもあります。
検索結果に上位表示さえすればお問い合わせが来る、と考えられているのだと思いますが、実際には、見込客となりうるユーザーほどしっかり内容を読んでいるということを忘れてはいけません。
実際に、MA(マーケティングオートメーション)を活用してマーケティング活動を行っている企業様の事例からも、記事コンテンツやホワイトペーパーをご覧になって頂いた方の方が商談化する傾向が高いという結果で出ています。
反対に、自社の知見や事例企業などを誰でも観られる場所で公開にすることに躊躇される企業もいらっしゃるかと思います。
確かに、社内のノウハウをどこまで公開すべきかといった内容には議論が必要ですが、一方でオープンにできる情報が少なすぎると、内容が浅くなったり制作できるコンテンツ量が限られてしまったりする可能性もあります。
「行き当たりばったり」で制作するとネタ切れや方針ズレが起きる
初めてコンテンツを制作される企業の中には、「まずは始めてみよう」と考えられることも多いのですが、思いつくままにコンテンツ制作を開始すると、ネタ切れになってしまったり、リード獲得に結び付かなかったりするケースが往々にして発生します。
顧客視点で制作することが大切
行き当りばったりで制作したコンテンツは、往々にして自社が作りたいテーマに偏る傾向があります。しかし
「他社より優れている点はここだ!」「サービス・製品のこの機能の素晴らしさを伝えたい!」と売り手視点で作られたコンテンツは、ターゲットに響かないことがあります。また、テーマが偏ったりネタ切れを起こしてしまったりする可能性もあります。
コンテンツは、どのような属性の、どこの検討フェーズにいる、どのようなニーズ・課題を持つ見込客に対して制作するのが、最も受注確率が上がるのか?それらを分析した上で制作を進める、つまり顧客視点で制作することがとても大切なのです。
発信するメッセージに一貫性を持たせる
コンテンツ制作においては、制作を担当する人が複数になる場合があります。また、記事、メルマガ、ホワイトペーパー、動画などアウトプットする形態によってマーケティング活動上で担う役割も変わってきます。そのため、方針やポリシーを明確にして全社で共通認識を持ち、あらゆるコンテンツ間で軸の通った伝え方をしていく必要があります。
BtoBのコンテンツを制作する際には、まず顧客理解やコミュニケーション方針の決定といった
「ガイドライン」を定めた上で、テーマや内容を検討していくことをお勧めします。
BtoBマーケティングにおける「良いコンテンツ」とは何か?
では、BtoBマーケティングの成功確率を高める「良いコンテンツ」とはどのようなコンテンツでしょうか?
それは、コンテンツを“優秀な営業マン”と置き替えると分かりやすくなります。
顧客にとって優秀な営業マンとは、
1)有益な情報を提供してくれる人
2)課題解決に対してアドバイスしてくれる人
3)ニーズに対して的確な企画や提案をしてくれる人 です。
それを反対に営業マンの行動目的で見てみると
1)有益な情報を提供してくれる→興味・関心の喚起(惹きつけ)
2)課題解決に対してアドバイスしてくれる→ノウハウ提供(信頼)
3)ニーズに対して的確な企画や提案をしてくれる人→必要性喚起(購入マインド)
となり、優秀な営業マンはこれらの検討プロセスを対話で進めることでより多くの受注を獲得しています。
優秀な営業マンの、このような「興味・関心の喚起」「ノウハウ提供」「必要性喚起」の行動を標準化し、様々なアウトプット形式でまとめたものが、効果的なコンテンツになるといえます。
コンテンツ制作を始める前に準備する4つのこと
BtoBコンテンツの量と質の重要性について解説していきましたが
ここからは、具体的な制作準備工程を解説していきます。
ステップ①:ターゲット理解
まず、サービス・製品のターゲットを改めて整理しましょう。長年サービス・製品に携わってきた人の中には“ターゲットはよく分かっているから今更見直す必要はない”と思われる方もいらしゃるかと思いますが、改めて明文化してみると意外と言葉にできないこともよくあります。
業種や会社規模、導入部門といった一般的なカテゴリー属性だけでなく、
“どのような課題やニーズをもっている会社か?”
“別のソリューションからの乗り換えを狙うべきか?”
“初めて使用する企業を狙うべきか?”
などといった特性も詳細にあげてみましょう。
人によって認識が違っていたり、新しいターゲットに気づいたりすることもありますので複数人でディスカッションしたり、自社の営業マンにヒアリングしたりしてみるのがお勧めです。
ステップ②:検討プロセス理解
次に、設定したターゲットが、サービス・製品を導入するまで
どのようなプロセスを経ているのかを整理します。
一般的なBtoB企業の購買検討プロセスは5段階です。
①商材に関するメリットや活用方法認知(興味・関心)
②必要性を認識する(自分ごと化)
③解決策としての貴社製品・サービスを認知する(サービス・製品認知)
④貴社含め複数種類のサービス・製品の情報を収集をする(比較検討)
⑤導入するサービス・製品を決定する(選定)
この検討プロセスを軸に、貴社の営業プロセスに合わせて新しく項目を追加したり削除したり、また重要となるプロセスのボリュームを増やしたりしてカスタマイズします。
また、検討プロセスに関わる顧客側の導入関与部門がどこで、どの段階でどの様に関わるのか明確にしておきます。
ステップ③:検討プロセスにおけるハードル整理
次に、上記で整理した検討プロセスを推進する上で
ハードル(障壁)となる事項を洗い出します。
1)興味関心を示さない原因
例)・貴社が提供しているソリューションについて理解できていない
・自分(or自社)には必要ないと感じている
2)自分ごと化しない原因
例)・製品・サービスを導入することで得られるメリットを
感じていないまたは理解していない
・該当課題の解決の優先順位が低い
3)サービス・製品認知に至らない原因
例)・自社で抱えている課題の解決策と
貴社のソリューションの利用が一致していない
4)比較検討に入らない原因
例)・検討に至るきっかけがなく、メリットは理解しているが
検討のトリガーが引かれない
・“高い”“手間が掛かりそう”など、
ネガティブイメージが払拭できず、二の足を踏んでいる
5)選定が進まない原因
例)・実践ノウハウ・人員不足で推進できない
・予算が確保できない
・経験・情報不足でサービス・製品を選定できない
ステップ④:ハードルをクリアするためのコミュニケーションのあぶり出し
上記で洗い出した検討プロセスのハードルを解消させる内容こそがBtoBコンテンツのテーマとなります。
興味関心を示さない場合のコンテンツテーマ例
●「導入関与者の職域における最新動向・トレンド」
●「顧客を取り巻く環境変化に対する対策方法」
●「プロジェクトを推進するための知識・ポイント」
自分ごと化しない場合のコンテンツテーマ例
●「課題を放置することで起きるリスク」
●「同業他社の動向や客観的な調査データ」
●「業務課題に対する解決方法」
選定・比較検討においてネガティブイメージが消えない場合のコンテンツテーマ
●「導入関与者自身の業務負荷に対する解決策」
●「社内の導入障壁をクリアするための方法」
●「導入にあたり失敗しない進め方や留意点」
まとめ
今回は、BtoBマーケティング成功の鍵を握るコンテンツ制作についてその重要性と準備ガイドラインを解説しました。
1.BtoBコンテンツは顧客目線で
2.見切り発車で始めるのではなく目的と方針を定める準備工程を踏むのが大切
3.良いBtoBコンテンツとは優秀な営業マンの行動そのもの
4.BtoBコンテンツの制作準備は、
①ターゲット理解
②検討プロセスの整理
③検討プロセスのハードル洗い出し
④ハードル解消方法の考案 という工程で
弊社では、マーケティング効果を最大化する良質なBtoBコンテンツを効率的に制作したいとお考えの企業様向けに、制作サポートサービスを展開しております。これまで制作してきた事例などもご案内致しますので、お気軽にお問い合わせください!
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