新規開拓がうまくいかない7つの原因|原因探しで終わらない「立て直し方」を解説
成果が出ないと、「テレアポの件数を増やそう」「Web広告を始めよう」「展示会への出展回数を増やそう」と、新しい施策を追加したくなります。しかし、新規開拓がうまくいかない原因は、施策の数が足りないこととは限りません。
新規開拓は「ターゲット → 接点 → リード → 商談 → 受注」という5つの工程で成り立っています。改善は、この5つの工程の結果を分析し、次の施策へ反映する活動です。どこか1か所で成果の転換が滞っていれば、ほかの工程を強化しても最終的な受注にはつながりにくくなります。
たとえば、リード不足を課題だと考えて広告費を増やしても、実際の問題が「獲得したリードの中にターゲット企業が少ないこと」であれば、営業が確認・フォローする対象だけが増え、商談や受注は伸びない可能性があります。
重要なのは、新しい施策を始める前に「新規開拓のどこで成果の転換が滞っているのか」を特定することです。
本記事では、新規開拓がうまくいかない7つの原因を4つのボトルネックに整理し、5つの主要指標と工程間の転換率から原因を見つけ、改善につなげる方法を解説します。原因を知るだけでなく、「自社はまず何を直すべきか」まで判断できる構成です。
新規開拓は「全部悪い」のではなく、どこか1か所が詰まっていることが多い
新規開拓がうまくいかないときに、営業活動全体を一度に変える必要はありません。まず、新規開拓を「ターゲットを決める → 接点をつくる → リードを獲得する → 商談につなげる → 受注につなげる」という5つの工程に分解します。改善は、5つの工程を評価した後に次のサイクルへ反映します。
この5つの工程を上流から確認し、各工程の実績と前工程から次工程への転換状況を見ます。単純に「数字が少ない工程」を探すのではなく、成果が次の工程へ進みにくくなっている箇所を特定することが重要です。
ターゲット企業との接点そのものが少ないのであれば、営業トークを改善するよりも接点を増やす必要があります。一方、リードを十分に獲得できているのに商談が少ないのであれば、広告やSEOへ追加投資する前に、リードの質や営業フォローを見直すべきです。
「何の施策を始めるか」ではなく、「新規開拓のどこで成果の転換が滞っているか」を先に確認することが、立て直しの第一歩です。
新規開拓がうまくいかない7つの原因を4つのボトルネックに整理する
新規開拓がうまくいかない原因はさまざまですが、個別の問題として見るのではなく、「狙い方」「接点量」「商談化」「改善運用」の4つに整理すると、どこから改善すべきか判断しやすくなります。

ボトルネック1|狙う企業と「選ばれる理由」が曖昧
原因1.狙う企業が広すぎる
「製造業」「従業員100名以上」「関東圏」といった条件だけでターゲットを決めている場合、同じ条件の中にも自社の商品・サービスを必要とする企業と、そうではない企業が混在します。
ターゲットを考える際は、過去の受注企業を起点に、業種・企業規模などの属性だけでなく、受注単価、商談から受注への進みやすさ、導入前に抱えていた課題なども確認します。
「アプローチできる企業」ではなく、「受注しやすい企業」を明確にすることが重要です。リードの母数を増やす前に、誰からのリードを増やすべきかを決めます。
原因2.自社が選ばれる理由が明確になっていない
ターゲットが合っていても、競合と比較したときに自社を選ぶ理由が伝わらなければ受注にはつながりません。「高品質」「手厚いサポート」「豊富な実績」「柔軟な対応」といった表現だけでは、競合企業との違いが伝わりにくい場合があります。
「なぜ問い合わせをしたのか」「なぜ競合ではなく自社を選んだのか」「導入前にどのような課題を抱えていたのか」を、過去の受注案件や営業担当者へのヒアリングから整理します。
顧客が商品・サービスを選ぶ際に重視するポイントと、自社が実際に強みを発揮できるポイントを重ねることが重要です。ここまで整理できると、Webサイト、広告、コンテンツ、営業トークで「誰に何を伝えるか」がそろいます。
ボトルネック2|ターゲット企業との「接点量」に問題がある
狙う企業と訴求を整理したら、次に確認するのがターゲット企業との接点です。
原因3.新規顧客との接点が足りない
ターゲットと訴求が適切でも、そもそも新しい企業との接点が少なければ商談は増えません。SEO・コンテンツ、リスティング広告、ホワイトペーパー、展示会、業界メディア、ウェビナー、テレアポ、インサイドセールスなどから、自社の顧客が情報収集している場所や検討プロセスに合わせて接点をつくります。
ただし、施策を増やすこと自体が目的ではありません。現在どのくらいターゲット企業と接点を持てているのかを確認し、不足している場合に接点を増やす施策を検討します。
なお「接点数」は、すべての施策で同じように計測できるとは限りません。広告であればターゲット企業への広告接触、展示会であれば名刺獲得、テレアポであれば担当者接続など、自社で継続的に取得できる指標を施策ごとに定義し、同じ定義で推移を比較することが重要です。
原因4.新規顧客との接点が特定チャネルに偏っている
接点数を確保できていても、その多くを1つのチャネルに依存している場合は注意が必要です。たとえば「展示会の開催月だけリードが増える」「テレアポを止めると新規商談も止まる」「紹介が発生しない月は新規案件がない」といった状態です。
既存施策をやめる必要はありません。現在成果を出しているチャネルを残しながら、そのチャネルだけでは接点を持てない企業や時期を補うチャネルを追加します。
重要なのは、「展示会をWebへ置き換える」「テレアポを広告へ置き換える」と考えることではなく、既存施策の強みを残しながら顧客接点を複線化することです。
ボトルネック3|リードを「商談」に変えられていない
接点やリードを十分に確保できている場合は、次に商談化までの工程を確認します。
原因5.獲得リードに占めるターゲット企業の割合が低い
リード数が増えているのに商談が増えない場合は、リードの「量」ではなく「中身」を確認します。たとえば月50件のリードを獲得していても、自社の営業対象となる企業が10件であれば、実際に優先して追うべき母数は10件です。
そのため、リード数だけでなく「ターゲットリード率」を確認する必要があります。
ターゲットリード率 = ターゲット条件に合致するリード数 ÷ 総リード数 × 100
ターゲット外のリードが多い場合は、広告の配信先、検索キーワード、コンテンツテーマ、ホワイトペーパーの内容、Webサイトの訴求などを確認します。
「何件獲得したか」ではなく、「商談にしたい企業を何件獲得できたか」で評価することが重要です。
原因6.リードを獲得した後の営業フォローに問題がある
ターゲット企業からリードを獲得できていても、適切な営業フォローにつながっていなければ商談は増えません。たとえば、すべてのリードを同じ優先順位で追う、営業担当者へ渡した後の対応状況が分からない、一度電話してつながらなければ終了する、今すぐ検討していないリードを放置するといった状態です。
リードを獲得したら、企業属性や問い合わせ・資料ダウンロードの内容、検討状況などから優先順位をつけます。検討度の高い企業は早めに営業がフォローし、まだ情報収集段階の企業にはメールやコンテンツなどで接点を継続します。
リード獲得と商談獲得を別々に考えるのではなく、「獲得したリードをどのように商談へつなげるか」まで一連の流れとして設計する必要があります。
ボトルネック4|成果を検証する「改善運用」ができていない
原因7.KPIを決めず、同じ施策を続けている
「去年も展示会に出たから今年も出る」「ずっとテレアポをしているから続ける」「広告から問い合わせが来ているから問題ない」という判断だけでは、その施策が本当に受注へ貢献しているか分かりません。
確認したいのは、施策を実施したかどうかではなく、その結果としてターゲット企業との接点、ターゲットリード、商談、案件、受注がそれぞれ増えているかです。
BtoBマーケティングの最終的な目的はリードを集めることではなく、受注・売上につなげることです。施策単体の数字だけを見るのではなく、受注までつなげて評価し、「続ける・変える・やめる」を判断できる状態をつくります。
5つの主要指標から、改善すべき工程を特定する
ここまでの7つの原因を感覚だけで判断するのではなく、まず各工程の実数を確認します。基本となるのは「接点数」「リード数」「ターゲットリード数」「商談数」「受注数」の5つです。
5つの実数だけでは、どの工程で成果が次の段階へ進みにくくなっているのか判断しづらいため、工程間の転換率も確認します。指標の定義は社内で統一し、特に「接点」の定義は施策ごとに揃えておくことが重要です。
・リード化率 = リード数 ÷ 接点数 × 100
・ターゲットリード率 = ターゲットリード数 ÷ リード数 × 100
・商談化率 = 商談数 ÷ ターゲットリード数 × 100
・受注率 = 受注数 ÷ 商談数 × 100
ここで重要なのは、後工程の数字が悪いからといって、すぐに一番上の母数を増やさないことです。接点数とリード数が十分でもターゲットリード率が低いのであれば、リード数を増やす前に集客対象や訴求を見直します。一方、ターゲットリード数が十分でも商談化率が低いのであれば、営業フォローや優先順位付けを確認します。
5つの実数と4つの転換率を上流から確認し、成果の転換が滞っている工程を特定することで、優先して改善すべき箇所を絞り込めます。
改善例|「リード不足」と思っていたが、実は商談化率が問題だった場合
たとえば、毎月50件のリードを獲得し、そのうち20件がターゲット企業、2件が商談になっている企業があるとします。以下は考え方を説明するためのモデルケースです。
・リード:50件
・ターゲットリード:20件
・商談:2件
・ターゲットリード→商談化率:10%
この数字だけを見て「商談を増やすためにリードを100件へ増やそう」と考えると、広告費などの集客コストだけでなく、営業が確認するリードも増えます。
しかし、ボトルネックが商談化率にあるのであれば、リードの母数を増やす前に、ターゲットリードを営業へ優先的に渡す、資料ダウンロード内容から関心テーマを確認する、検討度の高い企業からフォローするといった改善を行います。
仮にリード50件、ターゲットリード20件のまま、商談が2件から4件になれば、商談化率は10%から20%になります。このモデルケースでは、リードの母数を増やさずに商談数を増やせます。
この数値はあくまで考え方を説明するためのモデルケースです。実際の商談化率は商材やターゲット、リードの獲得経路などによって異なります。
重要なのは、「成果が足りない=母数を増やす」と考えず、どの工程の転換率を改善すべきかを先に確認することです。
30日を一区切りに始める新規開拓の立て直し方|1つだけ変えて比較する
ボトルネックを特定できたら、改善へ移ります。ここで重要なのは、一度に複数の要素を変えすぎないことです。ターゲット、広告、Webサイト、営業トークを同時に変更すると、数字が動いても何が影響したのか判断しづらくなります。
SEOやコンテンツなど、30日だけでは成果を判断できない施策もあります。ここでの30日は施策の成否を決める期間ではなく、「現状把握 → 仮説 → 実行 → 確認」という改善サイクルを回し始めるための目安です。

1週目|現状の数字を集める
ターゲット企業への接点数、リード数、ターゲットリード数、商談数、受注数を整理します。すべての数字が揃っていなくても、まず取得できる範囲から新規開拓の流れを可視化します。
2週目|最大のボトルネックを1つ決める
数字を上流から確認し、最も改善すべき箇所を1つ選びます。「新規開拓がうまくいかない」という大きな問題のまま考えず、「ターゲットリード率が低い」「商談化率が低い」など、改善できる単位まで問題を分解します。
3週目|改善策を1つ実施する
ボトルネックに合わせて、改善策を1つ実施します。
・ターゲットとの接点が少ない:新しい接点チャネルを1つ検討する
・リードが少ない:CTAやLP、集客施策を見直す
・ターゲットリード率が低い:広告ターゲットやコンテンツテーマを見直す
・商談化率が低い:フォロー対象・タイミング・内容を見直す
・受注率が低い:失注理由・ターゲット・提案内容を見直す
4週目|変更前後を比較する
改善後は、変更した指標だけでなく、その後工程まで確認します。たとえばターゲット条件を見直したのであれば、ターゲットリード率だけでなく、その後の商談化率や案件化まで確認します。狙った数字が動かなければ、仮説を見直して次の改善を試します。
この「仮説 → 実行 → 数字を確認 → 改善」を繰り返すことで、新規開拓を営業担当者の経験や勘だけに頼らず、継続的に改善できるようになります。
新規開拓の改善に関するよくある質問
Q1.新規開拓がうまくいかない場合、まず営業担当者を増やすべきですか?
営業人員を増やす前に、新規開拓プロセスのどこがボトルネックになっているかを確認します。ターゲットリードは十分あるものの営業が追い切れていない場合は、人員不足が原因の可能性があります。一方、そもそもターゲット企業との接点が少ない場合は、営業担当者を増やしてもアプローチ先は増えません。
まず「接点不足なのか、営業リソース不足なのか」を切り分けることが重要です。
Q2.過去の営業データが少ない場合、ターゲットはどう決めればよいですか?
受注データが十分にない場合は、現在の顧客や商談中の企業、失注企業などから仮説を立てます。最初から正解のターゲットを決めるのではなく、仮説としてターゲットを設定し、商談化率や受注率を確認しながら条件を修正していくことが重要です。
Q3.新規開拓施策はどのくらいの期間で成果を判断すべきですか?
施策によって適切な検証期間は異なります。広告のように比較的短期間で反応を確認しやすい施策もあれば、SEOやコンテンツのように中長期で評価すべき施策もあります。
そのため、「すべて30日で成果を判断する」のではなく、施策ごとに評価期間を決め、途中経過として狙った指標が動いているかを確認します。また、流入やリードが早期に増えても、商談・受注までの期間は商材や検討プロセスによって異なる点に注意が必要です。
Q4.MAやSFAを導入すれば、新規開拓は改善できますか?
MAやSFAを導入するだけで、新規開拓の課題が解決するわけではありません。まず、ターゲット、顧客接点、営業フォロー、KPIを整理し、どの情報を管理・活用する必要があるのかを明確にします。
初期段階では、スプレッドシートなどでも「どのリードが、どの商談・受注につながったか」を紐づけて確認できれば十分なケースがあります。リードや営業活動が増え、手作業での管理が難しくなった段階でMAやSFAなどの導入を検討するとよいでしょう。
まとめ|新規開拓は「全部変える」のではなく、最大のボトルネックを1つ直す
新規開拓がうまくいかないときに、営業活動全体を一度に変える必要はありません。まず「ターゲット → 接点 → リード → 商談 → 受注」の5つの工程に分解し、改善はその結果を次のサイクルへ反映します。
そのうえで、接点数、リード数、ターゲットリード数、商談数、受注数の5つの実数と、リード化率、ターゲットリード率、商談化率、受注率の4つの転換率を確認します。成果の転換が滞っている工程が、優先して改善すべきボトルネックです。
新しい施策を次々に追加するのではなく、最大のボトルネックを1つ選び、改善策を実施し、その前後で数字を比較します。
この改善を繰り返すことで、新規開拓を営業担当者個人の経験や活動量だけに頼る状態から、継続的に改善できる仕組みへ変えていきます。
自社に合う進め方を整理したい方は、無料相談へ
「新規開拓がうまくいっていないものの、どこに原因があるのか分からない」「Web、広告、営業活動のうち、どこから改善すべきか判断できない」という場合は、ターゲットメディアへご相談ください。
現状の新規開拓プロセスと目標を整理したうえで、戦略設計からWebサイト、集客、運用までを一体で設計し、どこにボトルネックがあり、何から取り組むべきかを整理します。
本コラムの作成・編集者
ターゲットメディア株式会社 BtoBマーケティング研究チーム
私たちは、「日本のBtoBマーケティングをアップデートする」をミッションに活動する専門家チームです。
BtoB領域に特化して、17年以上・支援社数200社以上のマーケティング支援を手掛け、そこで蓄積された成功事例や実践的なノウハウを、現場で奮闘するマーケターの皆様にお届けしています。
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