WordPressのアップデートで事故を起こさない運用ルール|自動更新・メンテナンスモード・更新手順

更新日 : 2026年10月25日
WordPressサイト制作・運用

WordPressのアップデートは、セキュリティを保つために欠かせない作業です。一方で、「更新したら画面が真っ白になった」「レイアウトが崩れた」というトラブルも珍しくありません。更新しなければ脆弱性が残り、更新すれば不具合が起きるかもしれない。このジレンマを解消するには、場当たり的に更新するのではなく、運用ルールを決めておくことが大切です。本記事では、WordPressの更新で起きやすいトラブルと、事故を防ぐための更新手順、自動更新の判断基準、社内ルールの決め方を解説します。

【横長】WP-Chorus

WordPressで更新が必要なもの

WordPressのサイトで更新が必要なものは、主に次の5つです。

更新の対象

内容

WordPress本体

機能の追加、不具合の修正、セキュリティの修正

プラグイン

配布元ごとに不定期で更新される

テーマ

配布元ごとに不定期で更新される。独自に制作したテーマは更新されないこともある

翻訳ファイル

管理画面などの日本語表示の更新

サーバーのPHP・データベース

WordPressが動くための環境。古いままだと新しいWordPressやプラグインが動かないことがある

メジャー版とマイナー版の違い

WordPress本体の更新には、大きく2種類あります。

メジャー版:バージョン番号の前半(例:6.○の部分)が変わる更新。新しい機能の追加や、大きな仕様の変更を含む

マイナー版:バージョン番号の末尾(例:6.○.△の△の部分)が変わる更新。主にセキュリティの修正や不具合の修正

マイナー版はセキュリティにかかわるため、早めに適用することが大切です。一方、メジャー版は仕様の変更でプラグインやテーマとの相性問題が起きやすいため、検証してから適用するのが安全です。

更新しないリスクと、更新で起きるトラブル

更新しないリスク

更新を止めると、すでに公表されている脆弱性が残ったままになります。脆弱性の情報は公開されるため、更新していないサイトは攻撃の対象になりやすくなります。

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更新で起きやすいトラブル

一方、更新によって次のようなトラブルが起きることがあります。

・画面が真っ白になる、「重大なエラーが発生しました」と表示される
・レイアウトが崩れる
・プラグインの機能が動かなくなる
・管理画面にログインできなくなる
・「メンテナンス中」の表示から戻らなくなる

こうしたトラブルの多くは、更新前の検証と、問題が起きたときにすぐ元に戻せる準備で防げます。

自動更新は止めるべきか

自動更新の初期設定

WordPressでは、初期設定で本体のマイナー版(セキュリティ修正など)が自動で更新されます。プラグインとテーマは、管理画面からプラグイン・テーマごとに自動更新を有効にできます。

自動更新の設定はバージョンやサーバーによって異なることがあるため、管理画面の「ダッシュボード」→「更新」で、現在の設定を確認しておきましょう。

止める場合・止めない場合の判断基準

自動更新を止めるかどうかは、次の3点で判断します。

判断の軸

自動更新を有効にしてよい

自動更新を止めて検証後に手動で更新

サイトの重要度

止まっても影響が小さい

問い合わせ・採用・ECなど、止まると損失が大きい

カスタマイズの量

プラグインが少なく、構成がシンプル

独自のカスタマイズや、プラグインが多い

検証の体制

検証する担当者や環境がない

テスト環境で検証できる担当者がいる


おすすめは、「セキュリティ修正(マイナー版)は自動、それ以外は検証してから手動」という分け方です。自動更新をすべて止めると、セキュリティ修正の適用も遅れるため注意が必要です。

自動更新の止め方と注意点

自動更新は、主に次の方法で設定を変えられます。

管理画面
:プラグイン・テーマごとに、自動更新の有効・無効を切り替える
wp-config.php
:本体の自動更新の範囲を、定数(WP_AUTO_UPDATE_COREなど)で設定する。すべての自動更新を止める定数(AUTOMATIC_UPDATER_DISABLED)もある
functions.phpやプラグイン
:フィルターを使って、更新の対象ごとに細かく設定する

設定ファイルの編集は、1文字の誤りでもサイトが表示されなくなることがあります。編集前にバックアップを取り、編集後は表示を確認しましょう。

また、自動更新を止めた場合は、更新の情報を確認して手動で適用する作業を、担当者の業務として決めておく必要があります。止めたまま放置するのが最も危険です。

事故を防ぐ更新の5ステップ

更新は、次の5ステップで進めると事故を防げます。

ステップ1:更新の情報と影響を確認する

更新内容(セキュリティ修正か、機能の追加か)と、使っているプラグインやテーマが新しいバージョンに対応しているかを確認します。

ステップ2:バックアップを取る

ファイルとデータベースの両方をバックアップします。問題が起きたときに、すぐ元に戻せる状態にしておきます。

ステップ3:テスト環境で検証する

本番と同じ構成のテスト環境(ステージング環境)で先に更新し、表示や機能に問題がないかを確認します。

ステップ4:本番で更新する

アクセスが少ない時間帯に、本番環境で更新します。まとめて更新せず、1つずつ順番に更新すると、問題が起きたときに原因を特定しやすくなります。

ステップ5:動作を確認し、記録する

主要なページの表示、フォームの送信、管理画面の操作を確認します。更新した日時、対象、バージョン、確認結果を記録しておきましょう。

メンテナンスモードの使い方

更新や改修の作業中は、訪問者に「メンテナンス中」であることを表示する「メンテナンスモード」を使うと安心です。

WordPressは、本体やプラグインを更新している間、自動で一時的にメンテナンス中の表示に切り替わります。作業の時間が長くなる場合は、メンテナンスモード用のプラグインを使って、作業中であることや再開の予定を表示できます。

「メンテナンス中」の表示から戻らないときの対処

更新が途中で止まると、「現在メンテナンス中のため、しばらくの間ご利用いただけません。」という表示が残ったままになることがあります。

これは、更新中に作られる「.maintenance」というファイルが残っていることが原因です。FTPやサーバーの管理画面から、WordPressを設置したフォルダにある「.maintenance」ファイルを削除すると、表示が元に戻ります。

ファイルを削除した後は、更新が正しく終わっているかを確認し、必要であれば更新をやり直しましょう。

更新の頻度と社内ルールの決め方

更新は、種類ごとに優先度と頻度を決めておくと迷わずに済みます。

更新の種類

優先度

頻度の目安

本体のセキュリティ修正(マイナー版)

高い

公開されたらすぐ

脆弱性が公表されたプラグイン・テーマ

高い

情報を確認したらすぐ

その他のプラグイン・テーマ

中

月に1回、まとめて検証して適用

本体のメジャー版

中

公開後、プラグインの対応状況を確認し、検証してから計画的に適用

サーバーのPHP

中

推奨環境を確認し、検証してから計画的に適用


あわせて、次のルールを決めておきましょう。
誰が判断するか
:更新するかどうか、いつ更新するかを決める担当者
誰が作業するか
:社内の担当者か、制作会社・保守会社か
どう記録するか
:更新の日時、対象、バージョン、確認結果を残す場所

更新作業の負担を減らす仕組み

更新を安全に続けるには、「検証できる環境」と「すぐ元に戻せる状態」が欠かせません。これを人の手で毎回用意するのは手間がかかります。

NHNテコラスの「WP-Chorus」は、企業向けのWordPressクラウドホスティングです。更新作業を支える次の機能を標準で備えています。

ステージング環境
:全プランで標準提供。管理コンソールから本番環境を複製し、更新前の検証に使える
自動バックアップ
:全プランで標準提供
ミドルウェアのパッチ管理
:サーバー側の更新はNHNテコラスが対応

WordPressの本体やプラグインの更新は利用者側の作業ですが、検証と復旧の準備を仕組みで用意できるため、更新のたびに環境を整える手間を減らせます。

WP-Chorusについて詳細は以下をご覧ください。

まとめ

WordPressのアップデートは、更新しないリスクと、更新で起きるトラブルの両方があります。事故を防ぐには、更新の種類ごとに優先度と頻度を決め、「情報の確認→バックアップ→テスト環境で検証→本番で更新→確認と記録」の5ステップで進めることが大切です。

自動更新は、セキュリティ修正は自動、それ以外は検証してから手動、と分けるのがおすすめです。検証と復旧の準備を仕組みで用意すれば、更新は怖い作業ではなくなります。

本コラムの作成・編集者

ターゲットメディア株式会社 BtoBマーケティング研究チーム

私たちは、「日本のBtoBマーケティングをアップデートする」をミッションに活動する専門家チームです。
BtoB領域に特化して、17年以上・支援社数200社以上のマーケティング支援を手掛け、そこで蓄積された成功事例や実践的なノウハウを、現場で奮闘するマーケターの皆様にお届けしています。
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