PHPの更新は誰がやる?レンタルサーバー・VPS・AWS・マネージドホスティングの責任範囲を比較
WordPressを動かしているPHPやOSは、定期的に更新しなければなりません。ところが、「それは誰の仕事なのか」は、使っているサーバーの種類によって変わります。事業者がやってくれると思っていたら実は自分たちの担当だった、ということも珍しくありません。
この記事では、レンタルサーバー、VPS、AWSなどのクラウド、マネージドホスティングについて、PHPやOSの更新を誰が担うのかを比較し、契約前に確認したいポイントを整理します。
「PHPの更新」には2種類ある
比較の前に押さえておきたいのが、「PHPの更新」には性質の違う2つの作業があることです。
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作業 |
内容 |
頻度 |
影響 |
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パッチ適用 |
同じバージョンの中で、脆弱性や不具合の修正を当てる(例:8.3.35→8.3.36) |
不定期(脆弱性が見つかるたび) |
基本的にはサイトの動作に影響しにくい |
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メジャーバージョンアップ |
バージョン自体を上げる(例:8.2→8.4) |
数年に 1 回(サポート期限に合わせて) |
テーマやプラグインが動かなくなることがある |
パッチ適用は事業者が行い、メジャーバージョンアップは利用者が行う、という分担もよくあります。「PHPの更新は事業者がやってくれる」と聞いたときは、どちらの作業のことなのかを確認することが大切です。
【事例】2026 年 10 月の PHP 本体の脆弱性
2026 年 10 月に公表された PHP 本体の重大な脆弱性(通称「PHP2Shell」)では、多くのレンタルサーバー事業者が利用者に代わって修正を適用しました。一方、VPS を使っている場合は利用者自身での対応が必要だと案内されました。同じ脆弱性でも、サーバーの種類によって利用者がやるべきことが大きく違った例です。
※記載内容は 2026 年 11 月時点の情報です。
サーバーの種類ごとの責任範囲
一般的な傾向をまとめると、次のようになります。サービスによって異なるため、実際の範囲は契約前に必ず確認してください。
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対象 |
共用レンタルサーバー |
VPS |
AWS などのクラウド(自前構築) |
マネージドホスティング |
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物理サーバー・ネットワーク |
事業者 |
事業者 |
事業者 |
事業者 |
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OS の更新 |
事業者 |
利用者 |
利用者 |
事業者 |
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Web サーバー・DB の更新 |
事業者 |
利用者 |
利用者 |
事業者 |
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PHP のパッチ適用 |
事業者 |
利用者 |
利用者 |
事業者 |
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PHP のメジャーバージョンアップ |
利用者(管理画面で切り替え) |
利用者 |
利用者 |
サービスによる |
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サーバーの監視・障害対応 |
事業者 |
利用者 |
利用者 |
事業者 |
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WordPress 本体・プラグインの更新 |
利用者 |
利用者 |
利用者 |
多くは利用者 |
共用レンタルサーバー
OSやミドルウェアの更新は事業者が行います。利用者が自由にできる範囲は限られる一方、サーバー側の管理の手間はほとんどかかりません。PHPのバージョンは、管理画面から利用者が選んで切り替える形が一般的です。
ただし、1台のサーバーを複数の利用者で共有するため、アクセスが集中するサイトや、セキュリティの要件が厳しいサイトでは、性能や機能が足りなくなることがあります。
VPS
仮想的な専用サーバーを借りる形態です。OSから上はすべて利用者が管理します。自由度が高い反面、PHPのパッチ適用もOSの更新も、すべて利用者の作業になります。
AWSなどのクラウド(自前構築)
AWSでは「責任共有モデル」という考え方がとられています。クラウドの基盤(物理的な設備やネットワーク)はAWSが責任を持ち、その上で動かすOSやミドルウェア、アプリケーションは利用者が責任を持ちます。EC2などでWordPressを構築した場合、PHPやOSの更新は利用者の担当です。
マネージドホスティング
サーバーの管理をサービスとして提供する形態です。OSやミドルウェアの更新、監視、障害対応を事業者が担います。一方で、PHPのメジャーバージョンアップや、WordPress本体・プラグインの更新をどこまで対応するかは、サービスによって異なります。
自前で運用する環境で更新が漏れやすい理由
VPSやクラウドで自前で運用している場合、更新が漏れやすくなる理由がいくつかあります。
担当者が限られている
サーバーの管理を1人か2人の担当者が兼任していることが多く、担当者の不在や異動で更新が止まりやすくなります。
情報を自分で集める必要がある
どのソフトウェアに脆弱性が見つかったのかを、自分で情報収集して判断しなければなりません。
夜間や休日の対応が難しい
重大な脆弱性は、時間を選ばずに公表されます。社内の体制では、夜間や休日にすぐ対応するのが難しいのが実情です。
「動いているものに触りたくない」
更新によってサイトが動かなくなることを恐れて、更新が先送りにされがちです。
自前でのパッチ管理の進め方は「AWS・VPSでWordPressを運用する担当者のためのサーバーのパッチ管理」で解説しています。
契約前に確認したいチェック項目
サーバーを選ぶとき、または今のサーバーの契約を見直すときは、次の点を確認しましょう。
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確認項目 |
確認したいこと |
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OS・ミドルウェアの更新 |
誰が行うか。脆弱性が公表されたとき、どのくらいの時間で対応するか |
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PHP のパッチ適用 |
事業者が行うか。利用者側で必要な作業はあるか |
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PHP のメジャーバージョンアップ |
誰が行うか。どのバージョンを選べるか |
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サポートが終了した PHP |
使い続けられるか。終了前に案内があるか |
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監視と障害対応 |
24 時間 365 日か。障害時の連絡手段は何か |
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WordPress の更新 |
サービスの範囲に含まれるか |
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検証環境 |
PHP のバージョンを変える前に試せる環境があるか |
移行先のサーバーを選ぶときの、そのほかの比較の観点は「WordPressのサーバー移行(引っ越し)は必要?」でも解説しています。また、サーバーだけでなく保守業務全体の委託先を比較したい場合は「WordPress保守・運用代行の選び方」が参考になります。
責任範囲から考えるサーバーの選び方
どのサーバーが正解かは、社内の体制によって変わります。
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社内の状況 |
向いている形態 |
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サーバーの専門知識を持つ担当者がいて、自由に構成を組みたい |
VPS、AWS などのクラウド |
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小規模なサイトで、性能やセキュリティの要件が厳しくない |
共用レンタルサーバー |
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アクセスの多いサイトや要件の厳しいサイトを、サーバー管理の手間をかけずに運用したい |
マネージドホスティング |
特に、AWSやVPSで構築したものの、担当者の負担が大きくなっている場合は、クラウドの性能は保ったまま、サーバーの管理だけを任せる選択肢を検討する価値があります。
サーバーの管理を任せられる「WP-Chorus」
「WP-Chorus」は、NHNテコラスが提供する企業向けのWordPressクラウドホスティングです。AWSの基盤の上で、サーバーの管理をサービスとして提供します。
- OSやミドルウェアのパッチ適用を含むインフラ運用管理を全プランで標準提供(ミドルウェアのパッチ管理はNHNテコラスが対応)
- 24時間365日のサーバー運用監視
- WAF、DDoS対策、CDNを標準装備
- 本番環境を複製したステージング環境をワンクリックで作成
まとめ
- 「PHPの更新」には、パッチ適用とメジャーバージョンアップの2種類がある
- 共用レンタルサーバーとマネージドホスティングは事業者が、VPSとクラウドの自前構築は利用者がサーバー側を管理するのが一般的
- 自前で運用する環境では、担当者の不足や夜間対応の難しさから、更新が漏れやすい
- サーバーを選ぶときは、OS・ミドルウェアの更新、PHPの2種類の更新、監視、WordPressの更新を、誰が担うのかを確認する
今使っているサーバーで、PHPの更新を誰が担当しているのか、一度確認してみてください。
本コラムの作成・編集者
ターゲットメディア株式会社 BtoBマーケティング研究チーム
私たちは、「日本のBtoBマーケティングをアップデートする」をミッションに活動する専門家チームです。
BtoB領域に特化して、17年以上・支援社数200社以上のマーケティング支援を手掛け、そこで蓄積された成功事例や実践的なノウハウを、現場で奮闘するマーケターの皆様にお届けしています。
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