デジタルセールスのKPIとは?KGI達成にインパクトの大きいプロセス指標を設定しよう

2025年05月07日
デジタルセールスで狙った成果を得るためにはKPIの設計は欠かせません。
KPIは、目標の達成度合を測るだけでなく、効果分析~改善をしていくための重要な指標です。

しかし、デジタルセールスの活動は多岐に渡るため「何をKPIとして見ていくべきか」というご質問をよくいただきます。本記事では、デジタルセールスにおけるKPIの設定方法について解説します。


目 次

デジタルセールスのKGIは「事業目標」(売上・契約数など)

デジタルセールスの目的は、従来の営業活動同様、新たな顧客を開拓することでの売上アップや、既存顧客との関係性を強化することで取引額の向上を図ることです。そのため、KGI(重要目標達成指標)は、売上や契約数などの事業目標となります。

一方KPIは、KGIを達成するための「中間指標」となるものです。そのためKPIは「プロセス」であり、KGIは「ゴール」とも言い換えられます。

デジタルセールスのゴールを達成するためには、成果に影響を与える重要成功要因(CSF)を特定し、KPIをマネジメントすることが重要です。

以下の図のように、CSF=KPI⇒KGIをつなぐ因果関係を強くすることが活動の成功ポイントになります。

デジタルセールスのKPIとは?KGI達成にインパクトの大きいプロセス指標を設定しよう

デジタルセールスにおけるKPIとは

デジタルセールスとは、デジタル技術やツールを活用した営業戦略や活動を指します。
そのため、デジタルセールスのKPIを設定する際には、アプローチから受注に至るまでの営業プロセスを分解した上で、KGI達成においてインパクトの大きいプロセスをKPIとして設定することが重要です。

デジタルセールスについては、以下記事で解説していますので合わせてご覧ください。




例えば、あるSIer様のデジタルセールスプロセスは、①サイト閲覧→②リード獲得→③オンライン無料相談→④商談→⑤提案→⑥受注という流れでした。
このプロセスにおいて、④以降の転換率(移行率)は安定した結果を出せていたため、③のオンライン無料相談の数をできる限り多く獲得し商談にエスカレーションさせることがKGI達成において最も重要なプロセスでした。

そのため、オンライン無料相談をCSF(重要成功要因)として定め、その獲得数をKPIとして設定しました。また、オンライン無料相談からの商談化率は営業担当者によってばらつきがあったため、商談化率の高い営業担当者が行っているオンライン無料相談会の内容を分析し、標準化することに取り組みました。

デジタルセールスのプロセスは、販売商材や業態によっても異なるため、KPIは唯一の解はなく企業ごとに設定するものとなります。




デジタルセールスのKPIとは?KGI達成にインパクトの大きいプロセス指標を設定しよう

KPIは「主要KPI」と「プロセスKPI」に分けて考える

デジタルセールスのKPIとは?KGI達成にインパクトの大きいプロセス指標を設定しよう

前述の通り、デジタルセールスのKPIは事業目標達成のための営業プロセスから考えます。そのため複数設定されることが一般的です。

KGI達成への寄与度に応じて「主要KPI」と「プロセスKPI」に分けて管理することが大切です。多くの企業において、主要KPIは明確になっているのですか、プロセスKPIが明確化されていないケースがあります。

プロセスKPIとは、主要KPIを達成するための活動を指標化したものです。
例えば、主要KPIを「ある一定の受注率を見込める商談数」と設定した場合にその商談獲得に必要となる活動指標がプロセスKPIとなります。

プロセスKPIを設定していない場合、具体的な活動に落とし込むことが困難になるため、主要KPIを達成するために必要な活動を因数分解しプロセスKPIを設定することが大切です。

プロセスKPIの設定例

最後に事例を交えて、プロセスKPIの設定方法をご紹介します。

オフィスデザイン会社のプロセスKPIの設定例

オフィスデザイン会社様のデジタルセールスにおけるプロセスKPI設定事例です。
こちらの企業様では、デジタルセールスプロセスを以下のように設計しました。

ステップ① 情報検索ユーザーのサイト誘導
ステップ② デザイン実績・事例の認知
ステップ③ リード獲得(コンペの参加依頼・提案依頼)
ステップ④ リード精査(ヒアリング→受注可能性の判断)
ステップ⑤ 商談
ステップ⑥ 提案
ステップ⑦ 契約


このプロセスを踏まえ、主要KPIとプロセスKPIを以下の通りに設定しました。

【主要KPI】ターゲットリードの獲得
【プロセスKPI】受注企業が閲覧するWebページのアクセス数


オフィスデザインはサービス特性上、複数企業からの提案と比較(コンペ)を前提とした検討プロセスが主流であるため、コンペの勝率をいかにして高めるが重要な要素でした。そのため主要KPIを「受注しやすい企業のリード獲得」として設定し、受注企業のニーズ・課題とWeb行動の傾向を分析しました。

その結果、受注しやすい企業が閲覧するWebコンテンツに傾向があったことから、CVに貢献する特定ページのアクセス数を増やす活動を重視し、そのページのアクセス数をプロセスKPIとして設定しました。

繰り返しになりますが、デジタセールスのプロセスは販売商材や業態によっても異なるため、KPIは唯一の解はなく企業ごとに設定するものとなります。
まずは、自社に最適なデジタルセールスプロセスを策定していきしょう。


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このコラムを書いたライター
BtoBマーケティングBPO編集部
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